暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode25:龍舜
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イフを受け止めた。

「わりぃ!」

隼人によって動けなくなっている男を殴り飛ばし、レオは雑念を振り払うために頭を思い切り左右に振った。

「へーき…それより、ここは俺に任せて先に行ってくれないかな?手っ取り早く終わらせて追いつくからさ」

背中を合わせる二人を、氷剣のショックから立ち直ったテロリストの数人が囲んだ。だが、恐らくそれでも隼人の敵にはならないのだろう。自分がやるより迅速に終わると、レオは冷静に判断した。

「わかったぜ」

「よし、俺が道を開くからレオはその隙に達也たちと合流してね」

カウントする隼人に、周囲のテロリストが身構える。恐らくどんな攻撃が来てもいいように----と本人たちは考えているのだろうが、その姿は完全に腰が引けたものとなっていた。

「ドライカーテン」

呟きと同時に、真っ白い霧が周囲を覆った。それだけで、隼人に恐怖を抱いていたテロリスト達のほとんどが動けなくなってしまう。
奪われる視界。絶たれる気配。そして、突き刺さる殺気。テロリスト達が戦意を失うには、十分すぎた。
だが隼人の眼は施設の外から来る、敵の援軍の姿を捉えていた。

「レオ、行って」

「ああ!」

近づいてくる足音でレオも援軍が来ていると分かったのだろう。隼人に頷きを返すと、まるで道を作っているように霧が晴れている場所を走って行った。



「…行ったかな。さてと、おもてなししてあげようか」

立ち込める濃密な霧の中。()()()九十九隼人は、その中に気配を潜ませていった。






















図書館の内部に複数の仲間と共に忍び込んだ男を出迎えたのは濃密な霧だった。密閉されたこの空間では、魔法の使えない彼らにこの霧をどうにかするのは難しい。
誰かが足止めのために使ったのか、それとも姿を隠すために使ったのか、どちらにせよこの霧が邪魔なのは間違いなかった。
男は舌打ちを漏らして、無駄だと思いながら霧中に目を凝らした。
刹那----ゴキリ、という不吉な音を男の背後にいた部下が聞いた。

「ギっ…?」

突然の激痛に思わず叫びを上げようとした男だが、その絶叫が放たれる前に黒いグローブに包まれた手が男の鳩尾に突き刺さっていた。
しかしそれは男の背後にいた部下たちには見えない。彼らは、従って来た隊長格の男の腕が途端に変な方向へ捻じ曲がり、悲鳴を上げる間もなく倒れたのを見ただけだった。

「---っ!?」

言いようのない緊張感が辺りを包んだ。明らかに自分達を害する存在が近くにいるのに、霧のせいで姿が見えないのはおろか、気配すら感じることはできない。

「がっ!?」
「ゲェッ…」
「ぎゃぁ!?
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