Episode25:龍舜
[7/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を走らせると、二人の教師が榴弾かなにかで引火したエリアの消火を、そして一人の男子生徒がその教師を守るように大立ち回りを演じていた。それを見て状況を理解した隼人は、すぐさまその男子生徒のサポートに移る。
加速魔法を発動してテロリストとの距離を一息に詰め、今にも男子生徒に魔法を放とうとしていた男を背後から蹴り飛ばす。驚いて動きが止まった残り2人の男は、注意が逸れたのを好機と見て十分に力を溜めた男子生徒---西城レオンハルトの拳によって地に沈められた。
「よぉ隼人。こいつぁなんの騒ぎだ?」
「テロリストが学校内に侵入したんだよ」
「物騒な話だな、オイ」
とは言いつつも動揺した様子のないレオに、隼人は苦笑いを浮かべてまだ火を消し切れていないエリアへと目を走らせた。
「俺がやりますよ」
教師二人を下がらせ、隼人はグローブをつけた右手を火へと差し出した。魔法式が輝き、そして隼人が指定したエリアの酸素が消え去った。酸素がなくなってしまえば、火がつくことはない。間も無く、実技棟の壁面を焼いていた火は完全に消火された。
教師に取り敢えずの状況を説明し終えた隼人がレオの方へ戻ると、そこには達也、深雪、エリカ、レオといった美月を除いたいつものメンバーが揃っていた。
「隼人か、他の施設の様子は分かるか?」
「実験棟には十三束鋼が向かってるから心配はいらないよ。だからあと狙ってきそうな場所は事務室と図書館だけだね」
「事務室はあたしが見てきたけど、もう先生達がテロリストを捕縛してたわよ。ま、流石ってとこね」
となると、次に向かうべきは図書館が優先なのだろうが、それは敵がどこを狙っているかによって代わる。もし、敵が実験棟を狙っているなら、幾ら鋼と言えどもブランシュの主力相手に一人だけでは厳しいだろうから、そちらの救援に行かなければならない。
選択肢は三つ。
図書館へ行くか、実験棟へ行くか、二手に別れていくか。どうすべきか決めあぐねている隼人たちに、背後から近づく声があった。
「彼らの狙いは図書館よ」
「小野先生?」
そこには、いつもの白衣姿ではない、行動性重視の装備を整えたスクールカウンセラーの小野遥の姿があった。
「向こうの主力は、既に館内に侵入しています。壬生さんもそっちにいるわ」
なぜ、貴女がそれを知っているのか、という疑問をほとんどが抱いただろうが、それは敢えて誰も口に出さなかった。代わりに、隼人以外の三人の視線が達也に向けられた。
「後ほど、ご説明をいただいてもよろしいでしょうか」
「却下します、と言いたいところだけど、そうも行かないでしょうね。その代わり、一つお願いしてもいいかしら」
「何でしょう」
そこで、隼人含めた全員の視線が遥
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ