Episode25:龍舜
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しょうか。既にご説明したとおり、施設の利用や備品の配布はA組からH組まで等しく行われていますが」
具体的な事例を織り交ぜて反論を行う真由美に同盟は太刀打ちできず、討論会はやがて真由美の演説となっていった。
「…生徒の間に、同盟の皆さんが指摘したような差別の意識が存在するのは否定しません。ただしそれは、固定化された優越感であり劣等感です。特権階級が自らの持つ特権を侵食されることを恐れる、その防衛本能から生まれ、制度化された差別とは性質が違います。
一科生と二科生、学校も生徒会も風紀委員も禁止している言葉ですが、残念ながら、多くの生徒がこの言葉を使用しています。
しかし、一科生が自らをブルームと称し、二科生をウィードと呼んで見下した態度わや取る、それだけが問題なのではありません。二科生の間にも、自らをウィードと蔑み、諦めと共に受容する。そんな悲しむべき風潮が、確かに存在します」
流石は生徒会長と言ったところだろうか。所々で野次が飛んだりしたが、凛々しい態度でこの学校の闇を語る真由美を前に、同盟は反論することもできずに恨めしげに睨むばかりだった。そして、真由美が続ける、そこで隼人は眉を顰めた。
イデアの次元にて、小さく、それでも確かな変化が隼人の眼に映った。
「渡辺委員長、敵が動き始めました。校舎内の警備に移ります」
「わかった。なにかあったらすぐに連絡を寄越せ」
「了解です」
摩利と会話している内にも、隼人の眼は活性化しだしたサイオンをあちこちに捉えていた。
摩利の言葉に返事を返すと、隼人は講堂を後にした。
「鋼?」
「あれ、隼人?」
講堂から出た隼人は、渡り廊下で油断なく周囲を見渡す親友の姿を見つけた。
どうやら部活が中止になって帰ろうとしていたところ、異変を嗅ぎつけたらしい。
隼人が鋼に事情を話そうとした時、突如として轟音と振動が校舎を襲った。
「……これって一体どんな状況?」
「…テロ組織が校舎内に侵入したんだよ。多分、今のはなんらかの兵器じゃないかな?とにかく、悠長にしてる時間はない」
世界の心眼を通して視た世界では、既に様々な場所で魔法が行使されていた。中でも、特にエイドスが改変されている四箇所に、隼人の目がとまる。
「取り敢えず鋼はここからすぐに実験棟に行ってテロリストを鎮圧してきてくれ」
「…ん、了解。隼人は?」
「俺はこのまま実技棟に行くよ」
そして、二人は頷いて、それぞれの場所に向かって駆け出した。
隼人が実技棟についたときには、既に戦闘は始まっていた。素早く目
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