Episode25:龍舜
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真面目な話だ。お前、一度九十九がなにか透視したのを見たことがないか?
……ふむ、入学式の日。外に行くと言って戻ってこない真由美を探していた時に茂みで死角になっていた真由美と達也くんを発見した、と。
どうやら本当らしいな…ん?あぁいや、こちらの話だ。じゃあな市原。助かったよ…え?変なことをするなよって?だからしないと何度も…ああ、わかってるよ!なにもしないさ!じゃあな、もう切るからな」
ようやく摩利が通信を終えた時には既に隼人の持つカップの中は空になっていた。
なんとなく、じとーっとした視線を浴びせられ居心地の悪くなった摩利は咳払いをするのだった。
「んんッ!と、取り敢えずお前のその特異能力は信じることにしよう。それと、流石に今更持ち場を変えることはできない。だから、お前がなにかの予兆を感じ取った時から、お前の任を解除する。その後は、お前の好きにしろ」
隼人が当初望んでいた最善ではないが、有る程度の自由は得られたため隼人は妥協することにした。
「頼んだぞ」
「はい!」
静かなカフェテラスに、隼人の返事が響いた。想像以上の声量に頬を染める隼人を見て、摩利は微笑むのだった。
そして迎えた、公開討論会当日。
「意外に集まりましたね」
「予想外、と言った方が良いだろうな」
「当校の生徒にこれ程、暇人が多いとは…学校側にカリキュラムの強化を進言しなければならないのかもしれませんね」
「笑えない冗談は止せ、市原…」
順に、深雪、達也、鈴音、摩利が講堂に集まった想像以上の生徒の数に思い思いの感想を述べる中、隼人は意識を学校の敷地外に向けていた。
(さて…ブランシュか大亜連合、どちらが先に来るかな、いや、それともどちらもか?)
とにかく、自分にできるのは被害を最小限に抑え、敵が体制を整える前に本拠地を叩くこと。だから、敵が攻めてこなければ自分にできることはない。取り敢えずは、校舎内の索敵に集中することにしよう。
「----始まりますよ」
鈴音の一言に、隼人は俯かせていた顔を上げて視線を舞台へ移した。
今回の討論会はパネルディスカッション方式で行われている。流れ的には、同盟側の質問と要求に対して、真由美が生徒会を代表して反論するという形になった。
『一科と二科の平等』を掲げている同盟側だが、彼らの主張は全体的に具体性の欠けるものだった。
「二科生はあらゆる面で一科生より劣る差別的な取り扱いを受けている。生徒会はその事実を誤魔化そうとしているだけではないか!」
と、言うも、
「ただ今、いらゆる、とのご指摘がありましたが、具体的にはどのようなことを指しているので
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