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魔法科高校の神童生
Episode25:龍舜
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つことができる。だが、その情報に確信がないのなら、摩利はこの学校の風紀を司る者として鵜呑みにするわけにもいかない。安易に信用して、万が一に情報が間違いだったらとんでもないことになってしまう。

「俺の父親のツテからの情報なんで、まず間違いはないはずです」

九十九隼人の父親、九十九櫂の存在は摩利も知っていた。

妻のセラと共に国軍に属していた日本の切札的存在。現在は第一線を退いているが、その活躍は期間の短いものの、摩利が尊敬の念を抱くには十分な功績、そして伝説を残していた。
そんな男からの情報ということだけで、摩利を納得させるには十分だった。

「…はぁ。敵の勢力は大体分かった。お前の言葉も信頼しよう。それで、警備についてなにかあると言っていたな」

「俺の担当は舞台袖でしたよね」

ああ、と摩利は頷く。
今回の公開討論会では、学校内の警備だけではなく、会場入りする同盟の人間に監視として風紀委員がつくことになっている。隼人はその中の一人で、同盟の人間二人を監視することになっていた。

「俺に、有る程度の自由をくれませんか?」

「…理由は?」

摩利が怪訝な表情を浮かべてカップに口をつける。ちなみにこの珈琲は隼人の奢りである。
口内に広がる苦味を感じながら先ほどの隼人からの情報を考えてみると、確かに明日の公開討論会の最中にブランシュ側がなにかしらの行動をとってくる確率はかなり高い。だが、それでも校舎内の警備を担当している風紀委員、そして学校内に常駐している教師陣が遅れをとるとも思えなかった。

「風紀委員の連中は決して弱くはない。それに、この学校内には教師陣が常にいるぞ。なぜ、そこまで警戒する?」

摩利の言葉に、隼人は口を閉ざした。だが、言い淀んでいる感じではない。ただ、慎重に言葉を選んでいるように摩利には見えた。

「…これも父親からの情報なんですけど、ここ最近に来て、ブランシュによる兵器の密輸が急増しています。もし、明日襲撃が来て、敵が武装していたら幾ら風紀委員の方々が優秀とはいえ迅速な制圧は不可能だと思います。
それに、この学校は警備システムが堅い…だからこそ教師陣は油断する。予想でしかないんですけど、教師陣は生徒達よりも使い物にならないかと」

「……それで、お前が動いて何になる?」

「敵はブランシュのみではなく大亜連合だっています。恐らく、兵器などと対比しても一番厄介な存在となるであろう奴は、早々にご退場してもらいたいでしょう?」

この間、隼人と邂逅した大亜連合の魔法師『龍舜華(ロウ・シュンファ)』。頭は残念なようだったが、この学校の強固な警備システムを物ともしないという、今回の事件の中で隼人が最も警戒している人物だ。
大亜連合がなんの意図があってブランシュと協力体制にあ
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