空白期 第1話 「少女の目には」
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をもらう日々が続いたのだろう。
リンディさんは優しいけど、厳しい面もあるからなぁ。それにデバイスの関係者からも注意されたって話をクロノが言ってたような気がする。
「そっか……でも一通り済んだら会いに行くんだよね?」
「多分ね」
「多分って……」
「……さっき俺ははやてにとって特別だって言ったよね。長い付き合いだから俺にもそういう認識はあるよ。だからこそ、会ったらあいつは強がって笑うんじゃないかって思ってさ」
確かにはやては笑っていた。騎士達を幸せにしたいと決意し、強くなろうと考えていた。
あのときは私となのはだけしかいなかったからはやては泣いたけど、シグナム達がいれば泣かなかっただろう。ショウの場合は……言うとおり強がって笑うかもしれない。でも
「逆に……ショウ相手だから素直になれるんじゃないかな」
「そうかもしれない。でもそしたら……あいつは優しいからきっと素直に涙を流さない俺の分まで泣いてくれると思う」
「……それは悪いことなのかな」
「はやては多分強くなろうって……シグナム達の前では泣かないって考えてると思うんだ。シグナム達の前で泣かせたら何だか申し訳ないよ」
ショウの顔は、表現するならはやてのことを理解している顔だった。
その顔はあの日はやてがショウの話題を出したときに浮かべた顔に似ていると思った。ショウとはやては、互いのことを理解し合っている。だからこそ、互いに会わなくても平気なのかもしれない。
「……ちょっと羨ましいかな」
「あのさ、何か言った?」
「え……あ、その、はやてのことは名前で呼ぶんだなって改めて思って」
「あぁ……まあ友達だから」
「そ、そうだよね……自然と名前で呼びあうようになったの?」
「うーん……あっちはそうだったけど、俺は無理やり呼ばされた気がするよ。名前で呼んでくれへんと返事せん、って感じでさ。最初の頃は何度も苗字で呼んじゃってはやてがよく膨れたっけ」
「へぇ……じゃあ、何で私のこと名前で呼んでくれたの?」
言っておいて何だけど、自分の口が他人のもののような気がした。いつもならこんな質問はしないと思う。今日のフェイトはおかしい、とアルフがこの場に居たなら言いそうだ。
「え……あぁ、あのときか。ごめん、何と言うか無意識だったとはいえ許可もなく」
「う、ううん別にいいの。私は今のままでも、名前で呼んでもらっても構わないって思ってるから!」
名前で呼んでもらったほうが友達として認知されているようで嬉しいけど、これを言うのは恥ずかしい。
「名前で呼んでくれたほうが嬉しいけど」
「そうなんだ……」
「あ……」
ショウが返事をしたことで、自分の気持ちが漏れていたことを理解する。顔が急激に熱くなっていくのを感じ、顔を彼から背けた
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