第178話 血塗れのドムス・フラウ
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けどよ、早く済ませろよ。」
リョ「それはお前の答えによって決まる。」
レッタの目付きが変わったのをリョウは見逃さなかった。
そして、リョウは唐突に言った。
リョ「お前・・・聖剣使いだな。」
レ「!」
レッタはこれまでにないくらい大きく目を見開いた。が、すぐに顔を伏せると、
レ「・・・ブッ!ブハハハハハッ!」
と腹を抱えて笑い出した。リョウの表情は一切崩れない。
レ「あぁ。アンタの言うとおりだ。」
笑いすぎたせいか、涙を左手の甲で拭いながらレッタはリョウの問いに答えた。
チャ「な・・なななな何という事だぁぁぁっ!死者の仮面のレッタ選手は、世界に“3人”しかいないと言われる聖剣使いの1人だったあああぁぁあぁあああああっ!!」
これには会場中が驚嘆の声で包まれた。
観4「マ・・マジかよっ!?」
観5「んじゃあこの試合、聖剣使い対決って事かよっ!?」
観6「そ、それってちょっと・・ヤバいんじゃねーのか・・・?」
観7「“ちょっと”じゃなくて“かなり”だろ。」
会場は大騒ぎだ。そんな中、レッタが腰に手を当ててチャパティ・ローラに向かって叫んだ。
レ「“3人”じゃねぇよ。聖剣使いは、“今”は俺とコイツの“2人”だけだ。」
チャ「え?で、でも・・・」
レッタの言葉にチャパティ・ローラは慌てふためく。
リョ「レッタが言ってる事は嘘じゃねぇ。真実だっ!」
リョウが会場中に聞こえる大声で言った。会場が静寂に包まれた。驚きすぎて開いた口が塞がっていない者や目を丸くしている者も大勢いる。
リョ「“今”は俺とレッタだけだが、“以前”は幸福の花のユリって言う女の聖剣使いがいたんだ。だが、ユリは2,3ヶ月前に、殺された。そうだろ?」
リョウは幸福の花の応援席にいるアカネを方に視線を移した。アカネもそれに気づいたのか、リョウに向かって小さく頷いて見せた。
さっきとは違う静寂が会場を包み込んだ。幸福の花の待機場所ではハマナスとツツジは口元に手を当てて驚いていたが、他のメンバーは顔を伏せていた。
ル「・・う、嘘・・・・ユリが・・殺され、た・・・?」
ルーシィは両目に大粒の涙を溜め、口元に手を当てて小刻みに震えていた。
リョ「そして・・・そのユリを殺したのが―――――」
リョウはゆっくりと右手の人差し指だけを立てて目の前にいる殺人犯を指差した。
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