第178話 血塗れのドムス・フラウ
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ハールが問いに答えると、ヤジマは普段閉じている目を薄っすらと開け、
ヤ「死者の仮面の奴等を見張れと命令スてくれ。何かを仕出かスかもスれん。」
ラ「はい。」
目付きを鋭くしたラハールも頷いた。
リョ「んじゃ、行って来るわ。」
リョウが会場に向かう。
マ「頑張ってね、リョウ。」
ト「相手は死者の仮面の人ですから、気をつけて下さいね。」
リョ「分かってるって。心配すんな。」
そう言って再び歩き出そうとするリョウの右手をガシッとルーシィが掴んで再び引き止めた。
リョ「ルーシィ?どうし―――――!」
振り向いてルーシィの顔を見たリョウの言葉が止まった。
ルーシィの茶色い瞳に薄っすらと涙が浮かび、今にも零れ落ちそうだったからだ。
ル「ゴ・・ゴメン。何か・・・嫌な予感がして・・・ううん、何でも無い。私の・・考えすぎだよね。うん、きっとそうよ。」
ルーシィは、まるで自分に言い聞かせるように言うと、リョウから手を離し、涙を拭う。そしていつものように笑顔になると、
ル「頑張ってね♪」
微笑んだ。
だが、その微笑みは若干引き攣っているように見えたのは言うまでも無い。
リョウは誰にも気づかれないように右手の拳を悔しそうに、何かを堪えるように、固く握り締めたが、すぐに力を緩め、
リョウ「おう!」
ルーシィにいつものようにVサインをした。そして背を向けて会場に向かって歩き出した。
ウェ「あれ?グレイさんと、エルザさんがいない。」
フ「ユモとショールもいねぇ。ドコ行ったんだ?」
エル「どっかその辺でイチャついてんだろ。」
会場に向かうリョウの前に、見慣れた4つの影。1つは紺色の髪の毛に上半身裸で、胸で銀色のペンダントが光る影。1つは長い緋色の髪の毛に鎧姿の影。1つは水色の髪の毛に水色のワンピースの影。1つは黒髪に黒いベストの胸ポケットに押された白い紋章が目立つ影。
そこにいたのはグレイ、エルザ、ユモ、ショールの4人だった。
リョ「悪いな、わざわざ。」
すまなそうにリョウは肩を竦める。
グ「顔が引き攣ってんぞ、リョウ。」
ユ「リョウらしくないよ。」
エ「全く、これから戦うというのに・・・情けないな。」
ショ「もっと気を引き締めろよ。」
グレイ、ユモ、エルザ、ショールの順にリョウを指摘する。
リョ「悪ィ悪ィ。」
それを受け流すかのようにリョウは適当に返事をすると先頭に立って歩き始めた。4人は一度顔を見合わせた後、仕方なくリョウの後に続いて歩き出した。
暗がりの道に5人の足音と、エルザの鎧がガシャッ、ガシャッと軋む音と、リョウの3
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