第178話 血塗れのドムス・フラウ
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た!ゲホッ・・す、砂煙で・・会場の様子が全く見えません!ゲホッ、ゲホッ・・エルフマン選手とハルト選手は、ゲホッ、一体どうなったんだぁーーーっ!?」
咳き込みながらも、チャパティ・ローラは実況するのを止めない。砂煙が晴れると、会場には2つの影が―――――。
1つは雷の槍を構えたハルト。少し息遣いは荒いがその場にしっかりと立っている。
もう1つは、全身が赤い毛で覆われ、頭から鋭く尖った黄色い2本の角が生えた獣―――――、
チャ「何とぉっ!エルフマン選手、接収、獣王の魂により獣に姿を変えたぁぁぁっ!!」
観1「すっげぇーっ!」
観2「あれが獣王の魂か。」
観3「カッコイイなぁ〜♪」
どうやら雷の球を食らう直前に接収し、ハルトの攻撃から身を守ったみたいだ。
ウェ「危機一髪ですね。」
ト「てっきり、やられちゃったかと思いました。」
ウェンディとトーヤは安堵する。
フ「でも、勝負はこれからが本番だ。」
リョ「エルフマーン!最後まで気を抜くんじゃねぇぞぉぉぉっ!!」
リョウがメガホンのように口元に手を当てて叫ぶ。リョウの声は獣の姿になったエルフマンの耳にしっかりと届いていた。
エル「そんくらい、漢には分かっている事だ。」
リョウの言葉に答えるかのようにエルフマンは小さく微笑みながら呟く。そして顔を上げハルトと顔を合わせる。
エル「俺はお前と戦うのが好きなのかもしれねぇな。漢として。」
ハル「!」
その言葉にハルトは若干驚いたが、口元を緩めて薄く微笑む。
ハル「俺は妖精の尻尾の魔道士と戦うのが好きだ。」
エル「俺の他にも戦った事がある奴がいるのかっ!?」
ハル「あぁ。2人ほど、な。」
そう言ってハルトは妖精の尻尾の待機場所にいるグレイとユモに視線を送る。案の定、グレイとユモはハルトが自分達の方を見ている事に気づいていない。
ハル「勝負は誰であろうと全力でやるモンだ。」
エル「漢として、勝負は正々堂々とやるものだ。」
この2人、言う事が少し似ている気がする。
2人は口々にそう言い合った後、同時に地を小さく蹴ると、エルフマンを腕を振りかざし、ハルトは槍の先端に雷を纏わせる。
エルフマンの黒い拳はハルトの右頬に直撃し、ハルトの槍の雷はエルフマンの左肩に直撃する。お互い食らったダメージも五分五分だ。
ユ「・・・ハルト、楽しそう。」
2人の勝負を眺めていたユモは誰にも聞こえない声で小さく呟いた。
エル「うぉおおぉおおおおっ!」
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