第六章
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「これでお別れじゃないよ!」6
すぐにこう返すサンターナだった。
「また会えるよ!」
「また?」
「嘘だろ、それは」
「またって」
「あんた引退するのに」
「確かに僕は引退するけれど」
それでもだというのだ。
「それでもね。僕は」
「僕は?」
「あんたは?」
「僕はずっと野球とこのチームが好きだから」
それが彼の言う理由だった。
「だからずまた会えるよ」
「会えるんだ、また」
「またあんたと」
「あんたと会えるんだ」
「そうだよ。だからお別れじゃないよ」
こうファン達に話してだった。そのうえで。
グラウンドでナイン達の胴上げを受け。満面の笑みでまた言ったのだった。
「また会おうね!」
「ああ、またな!」
「また会おうな!」
誰もが花束を持ち手を振るサンターナに満面の笑顔で応える。誰が笑顔の引退セレモニーだった。
それが終わってからだった。彼は。
メキシコ球界でコーチを経てだ。そして。
「戻って来たよ!」
「ああ、お帰り!」
「待ってたからな!」
そのチームにコーチとして戻ったのだ。秋のキャンプに早速来た彼をナイン達もファン達も笑顔で迎える。彼は約束通り戻ってきた。そして愛する野球を愛するチームで行うのだった。それが彼の幸せだった。
セニョール 完
2011・1・30
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