第六十三話 第三試合その二
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「着替えるの楽だし」
「ズボンがぶかぶかになりません?」
その裾のところがだ、太腿のところに長くあってというのだ。
「それやったら」
「別に構わないでしょ、ジャージだと」
例え裾のところがぶかぶかになってもだというのだ。
「夏は半ズボンだけれどね」
「体操服のそれですよね」
「そうよ、それだといざって時見えないし」
「スカートがめくれても」
「まあ男子はがっかりするけれどね」
女子のスカートがめくれてその中にあるのが半ズボンなりスパッツなりだった場合である、その時の男子生徒の落胆ぶりは見るも哀れだ。
「とはいってもブルマはね」
「そもそも今はもうないですし」
「あれ下着と一緒だから」
ショーツ、それとだというのだ。
「何処が隠してるのよって感じでしょ」
「それに太腿は全部出ますし」
「あまり暖かくないからね」
それでだ、ブルマはというのだ。
「穿いたこともないけれど若しあってもね」
「穿かれないんですね」
「ジャージよ、ジャージ」
穿くのならというのだ。
「夏以外はね」
「そういえば先輩って」
今度問うてきたのは景子だった、五人もそれぞれのロッカーにそれぞれの鞄を入れて着替えはじめている。部長はもうその上の方も着替えている。
ブレザーを脱ぎブラウスの上からジャージを被る、そしてその中でネクタイとブラウスを器用に外してだった。
「冷え性だって」
「結構そうなのよ」
そうした体質だというのだ。
「だから余計にね」
「身体を冷やさない様にですか」
「ジャージだけじゃなくてね」
「その他にもですか」
「使い捨てカイロは常に持ってるし」
それでも身体を暖めているというのだ。
「タイツとかもね」
「それもですか」
「あとババシャツ」
実にダイレクトな言葉だった。
「それもね」
「ババシャツって」
「それですか」
「それは、でしょ」
「はい、ちょっと」
「あまり」
五人はババシャツについてはだった、困った顔になってそれで言うのだった。
「何か着るの恥ずかしくないですか?」
「どうにも」
「よく暖かいって聞きますけれど」
「それでも」
「いやいや、これがね」
そのだ、所謂ババシャツがだというのだ。
「ダイアナ妃も着ておられて」
「えっ、あの人もですか」
「着ておられたんですか」
「あの人もなんて」
「そうだったんですか」
「ご自身がいっておられたのよ」
そのだ、ダイアナ妃自身がだというのだ。
「それで冬は寒くないってね」
「そうなんですね」
「あれを上着の下に着ていてですか」
「暖かったんですか」
「そうだったんですか」
「そう、だから私もね」
部長もだというのだ。
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