曹操聖女伝第5章
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「は!解りました」
その頃、袁術が送り込んだ援軍が下?城に到着したが、此処でも水攻めの効果が曹操軍に有利をもたらす。
「これでは呂布軍は間違いなく全滅だ」
「帰ろう。これは勝てない」
「今回の出陣は兵糧の無駄遣いだったな」
朱子真も下?城の現状を見て愕然とした。
「終わった……最早手遅れだ……」
この結果、陳宮は逃げる事も進む事も出来ない袋小路に迷い込んでしまったのだ。
呂布軍が立て籠もる下?城を攻略するべく水攻めを行っていたが、曹操は色々と思う事があった。
(呂布よ……戦いだけしか知らぬ若い野望の持ち主よ……此処までされてもなお私との一騎打ちを所望するか?……何故……)
曹操は静かに神兵化すると、周囲の制止を振り切って飛翔。まっすく呂布を目指す。
「呂布よ」
呂布は喜びに打ち震えていた。漸く神兵化した曹操と戦えるのだ。
「待っていたぞ!曹操!」
曹操が突き出した七星剣を、呂布は見事な腕前で受け流して払い、変々戟で斬り込んで来た。今度は曹操が変々戟を払って再び七星剣を構えて振り下ろす。
鋭い金属音が鳴り響く。
「やりおる」
七星剣と変々戟を交差させたまま呂布が唸った。
「まだまだ!」
2人の動きは目にも停まらぬ速さで、その優雅な舞には踊りやアクロバットの名手でさえ平伏す程であった。
「あいつ、強ぇ!」
慌てて駆けつけた??は、思わず息を呑んだ。
両者の七星剣と変々戟が目にも停まらぬ速さで激しくぶつかり合う。声にならない声で吼え、心の叫びをぶつけ合うような応酬が続く。
余りの激しさに、両軍は何時しか手を止めて2人の戦いに目を奪われた。
呂布が声を絞り出すように叫び、変々戟を突き出す。
「お前が悪いのだ!」
曹操は応戦しながら問い返す。
「呂布よ……私の何処にお前を此処まで追い詰める程の魅力があるのだ?」
「俺はお前のような奴を、お前の様な強敵を探していた!なのに何故!お前は俺との戦いから逃げる!?」
それが呂布の本心なのだろう。趙公明は呂布の人間らしさに触れた様な気になり、ドキリとする。
「俺の武勇は?俺の武功は?俺の力は曹操にとって無意味だと言うのか!」
呂布の心からの叫びに、曹操は全身から衝撃波を放つ事を答えとした。
「それだけでは人を測れぬ!」
曹操は富や権力、そのようなものだけが人間を計測する物差しではないと思っている。それだけは解っている。信じているのだ。
吹き飛んで離れる呂布。と同時に細長い光弾を何発も放つ曹操。光弾は、呂布の頬を掠めていく。だが、既に曹操は呂布の後ろに回り込んでおり、その首に七星剣があてられる。
「此処までだ!」
手にした変々戟を落した呂布は観念したのか座り込んでしまった。
「負けたよ……だが、満足だ!その返礼に張遼(字は文遠)をくれてやる!」
そ
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