曹操聖女伝第5章
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った曲阿の劉?の攻略を孫策に委ね、自身は徐州の車冑を攻撃することを決め、徐州に出征した。車冑は迎撃するために出撃したが、一方でこれ以前に曹操に敗れて流れてきた呂布を庇護していた。
袁術は呂布の参謀の陳宮にこう告げた。
「漢に代わる者は当塗高なり!もはや漢王朝の命運は尽きた。今の今上帝は只の後ろ盾役の傀儡にすぎん」
「成程成程、と言う事は今上帝に変わる新たな皇帝をと」
「いかにも!その役目を果たせるは我以外あるまい!」
「それが宜しゅうございます」
(漢王朝という後ろ盾が無い曹操か……ふふふふふ……)
建安2年(197年)正月、袁術は漢王朝の終焉を認め、寿春を都として仲王朝の皇帝に即位した。さらに、袁術は呂布に、20万石の兵糧を提供する事を条件に、車冑の背後を衝くように持ちかけ、車冑の本拠地の下?の守将の曹豹・許耽が車冑を裏切り呂布を迎え入れたため、本拠地を奪われた車冑は退却した。
無論曹操は承認を拒否し、車冑に援軍を送った。だが、意外な所から袁術の瓦解は始まっていた。
「袁術様を裏切れと……」
袁術軍部将の韓暹は耳を疑った。突然やって来た陳珪(字は漢瑜)を名乗る老人が好条件を餌として説得しに来たのだ。
「いや、逆賊を滅ぼせと言っていますのじゃ。そうすれば、帝の覚えもめでたいし、呂布殿も丁重にお迎えすると申しておりましたぞ」
陳珪の堂々とした言い分に完全に飲まれた韓暹。
「しかし、これだけの大軍、我々だけでは……それに、最早袁術様が今上帝。これでは帝に刃向う事になるのでは?」
「ならばもう1人仲間に加えれば良い。楊奉殿なんかは如何ですかな?あと、孫策(字は伯符)殿が袁術を離反しようとしておりますぞ」
「マジで!?寵愛を一身に受けたあの孫策が……」
その結果、韓暹と楊奉が袁術を裏切り、徐州は呂布に取られぱなしの状態となった。これに焦った陳宮が韓胤と謀って呂布の娘を袁術の子の嫁に迎え入れて袁術軍と呂布軍の仲違いを解消しようとしたが、呂布と袁術の同盟を恐れる陳珪が呂布の許を訪れ、
「何ー!袁術がそんな事を!?」
「左様です。帝の配下の者達の中には曹操を気に入らぬ者がおりまして、その者達と謀って曹操を亡き者にせんとしておりますぞ」
「嘘だろ?」
「いいや、陶謙の様な輩が帝の配下の中におるやもしれません」
呂布は陳珪の説得に従って娘を連れ戻し、韓胤を曹操に引き渡してしまった。韓胤は曹操の命により斬首され、許の市場で梟首された。
更に陳珪は孫策の許を訪れ、袁術が仲王朝の皇帝に即位した事を告げた。
「あの馬鹿!皇帝即位を諫める書簡を送たぞ俺!」
「他の諸侯も同じ事を言っておりましたぞ」
孫策は武力をもって袁胤を追放し、ついに袁術に対して独立を宣言する。孫策の独立に応じ、一時袁術の配下にいた周瑜(字は公瑾)は魯粛(字は子敬)を
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