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曹操聖女伝
曹操聖女伝第5章
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繍を挑発した。
「おい!お前達は夜襲が無いと真面に戦えない屁垂集団かー!?そんな軟弱でよく典韋を斃せたなー!?悔しかったら今直ぐ出て来い!」
其処へ、典韋の死を見届けた山賊風の男性がやって来て??にこう告げた。
「その台詞は俺の物だ。俺が張繍に言い放つ筈だった台詞だ」
山賊風の男性の殺気に敏感に反応した曹操が駆けつけた。
「お主は自分が張繍を挑発する筈だったと言ったな?何故張繍を敵に回す?」
山賊風の男性の表情は何処か寂しげにも見える。
「曹操を護れ……それがあいつとの約束だからな」
自分に声をかけた美少女こそが典韋が言っていた曹操だと気付かない山賊風の男性は、曹操に背を向け、ゆっくりと張繍が立て籠もる城に近付いて行った。
「我こそは許?!字は仲康なり!アイツの無念を晴らしてくれるわーーー!」
獣の様な雄叫びを上げ、悪鬼の如き形相をもって張繍軍の兵士達を屠る許?。
「おおおおーーーーー!」
張繍軍の兵士達は恐れおののき、隊列を崩してしまう。
「正に獅子欺かざるの力だな」
許?は自分の後を追う曹操に質問する。
「お前さんは何者だ?何故俺に付いて来る?」
曹操は悲しげに答えた。
「貴方は典韋の約束を守りたいのであろう。なら、この曹操が貴方の傍にいるのは当然の事だろう」
許?は驚きを隠せない。当然だ。典韋が命懸けで護った主君が実は何時まで経っても肉体年齢と外見年齢が15歳の美少女のままなのだ。
「あんたが曹操ぉー!?アイツにあそこまで言わせた者ならもっと厳ついかと思ったぞ!」
曹操は微笑みながらこう答えた。
「私が欲しいのは見た目の厳つさでは無い。同志なのだ。不義と戦乱を憎む志だ。私の理想に殉じて戦える者なら、例え昨日まで敵であろうとも、今日より私の部下だ!」
許?は曹操の見た目に騙され曹操を侮った事を恥じた。そして、かしこまり、手を前につく。
「殿、と呼ばせて貰いましょう」

その頃、賈?は謎の老婆と共に魔性の者に誑かされた張繍を正気に戻す方法と、自軍を包囲している曹操軍対策を思案していた。
「とりあえず曹操軍は劉表(字は景升)殿に援軍派遣を要請したので何とかなりそうだが、問題は張繍様じゃ。あれはかなり重症ぞ」
「して、どの位変わったのですかな?」
「……見れば解るよ」
賈?と謎の老婆は人間に転生した魔王そのAの傀儡と化した張繍に謁見した。
「何をしておる!早く曹操を討ち取らんか!」
「……賈?殿……これは……」
賈?は溜息を吐きながら話す。
「私がちょっと目を離した隙に魔性の者が張繍様を誑かしたのじゃ」
謎の老婆が手を2回叩くと、張繍が急に正気を取り戻した。どうやら人間に転生した魔王そのAの傀儡の時の記憶まで消し飛んでしまったらしい。
「ん?此処は……おい!曹操軍が我らを攻撃しておるぞ!曹操
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