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曹操聖女伝
曹操聖女伝第5章
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単独で調査を開始した。
そして、張繍軍の夜襲が始まった。最後尾を買って出た典韋の怒号が木霊する。
「裏切り者めが!曹操様に指1本触れさせやしねえぞーーー!」
典韋が凄まじい剛勇であっと言う間に張繍軍の兵士達を屠るが、典韋隊の前に圧倒的な数の兵士が次々に向かってくる。
「必ず……守り抜いてやる……」
その時、何者かが1匹の水牛を張繍軍に投げつけた。
「な、何だー!?誰だよあんな凄い芸当をしたのは?」
其処へ、山賊風の男性が馬車の荷台を右手で引っ張りながらやって来た。
「随分卑怯な真似をする連中じゃないか。これはぶっ飛ばし甲斐がありそうだぜ」
男はそう言うと、片手で荷台を持ち上げてそのまま張繍軍に投げつけた。
「な、何者!?」
男は張繍軍の質問にそっけない態度をとる。
「名乗る気ねえな!」
男は呆れた事に敵兵を凶器代わりに振り回し始めたのだ。
が、典韋や山賊風の男性が凄まじい剛勇を魅せ付けたのも此処までだった。張繍軍が遠巻きにして矢を射かけた。複数の矢が典韋に突き刺さる。
「おいーーー!」
山賊風の男性が慌てて典韋に駆け寄る。
「あんたが何者かは知らんが……おめえが俺の代わりに……曹操様を御守りしてくれ。頼んだぜ!」
其処へ更に矢を射かけられる典韋。一瞬倒れかけるが、
「な、ならねぇ!俺は曹操様の退路を確保する為にも、此処で倒れる訳にはいかねぇ!」
典韋は槍を自らの足に突き刺し、目を怒らせ口をあけ大声で罵り不動の体勢で死んだ。
「曹操様……おさらばです……」
典韋の死を見届けた山賊風の男性の怒号が飛ぶ。
「おのれらぁーーー!」
漸く自軍の強襲部隊に追いついた賈?だが、立ったまま絶命した典韋を見て顔面蒼白となった。
「なんて事を!あれは曹操軍の剛将・典韋ではないか!優れた人材をこよなく愛する曹操に知れたら大変な事になるぞ!」
そこへ山賊風の男性が賈?に食って掛かる。
「貴様が親玉かー!?」
慌てる賈?。
「ち、違うのだ!我が主君は魔性の者に誑かされ―――」
「嘘を吐くならもっとマシな嘘を考えておけ!」
「う、嘘ではない!本当なら我々は曹操軍に―――」
其処へ年老いた老婆が現れ、2人の間に割って入る。
「先程の魔性の者、詳しく聞かせてくれまいか」
怒りに身を任せた山賊風の男性は聞く耳持たない。
「下らねぇ理由で真の漢が1人死んだんだぞ!どう責任をとる!?」
老婆は袖口から大量の泡を噴射して山賊風の男性を惑わし、その隙に賈?を連れて逃げた。

曹操は舞陰で典韋の死を聞くと涙を流し、その遺体を取り戻すために志願者を募った。
「典韋よ、お前の死は決して無駄にはしないぞ!この曹操、お前が命を張って護っただけの女になってみせる!」
建安3年(198年)、曹操軍は張繍を穣に包囲した。その際、??が張
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