曹操聖女伝第5章
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た。
「確か……董卓の孫娘に10歳ほどで渭陽君になった者がおると聞く。そうだな?董白」
董白は背中にトビウオの胸ビレの様な羽を生やし、自身の下半身を鯉の鱗で覆われたイルカの下半身に変えた。
「魔王董白よ!お前は何をしに来た。復讐か?欲望か?」
董白は内気で引っ込み思案な性格なりに力強く答えた。
「復讐です」
「して、この後どうする?私はまだ神兵化できるが……挑むか?」
董白は首を横に振りながら答えた。
「その様な事をすれば彼の思う壺となります。故に見逃してくれたら嬉しいと思います」
二郎真君も曹操が神兵化の無駄使いをして、未だに謎が多い人間に転生した魔王そのAに付け入る隙を与えたらどうなるのかを懸念していた。
(確かに、七星剣に日光と月光をたっぷりと吸わせれば、曹操は何時でも神兵化出来る。しかし、七星剣に日光と月光を吸わせる最中に魔王級の邪凶に襲われれば一溜りも無い!)
朱子真が再び董白に飛びかかろうとするが、内気で引っ込み思案な性格とは言え魔王は魔王。中凶クラス如きが敵う相手ではない。
「静かにしてください!」
董白にこう言われた途端、朱子真が口を開けなくなりもがき苦しんだ。
「ガフッ!ガフッ!」
それを見ながら曹操は質問する。
「お主は何を企む?」
董白の答えは意外なモノだった。
「それは既に終わりました。呂布亡き今は」
「成程。復讐の事で頭が一杯か。あの頃の私同様に野望が若いな」
それを聴いた董白は自分が出来る最大級の力強さで曹操に問うた。
「曹操さん!だったらどのような野望が年老いたと言えるのですか!?」
曹操は静かに、そして自信満々に答えた。
「私が領主に求める物は3つだ。ひとつ、民を護る盾と成れ。ふたつ、兵を育てる道と成れ。みっつ、領土を肥え太らせる餌と成れ。この曹操、この3つの条件を兼ね備えた者しか領主と認めん!」
董白は納得しながらこう答えた。
「完璧だ。だがしかし、それ故に誰にも相手にされていない!何故なら、他の諸侯はその様な綺麗で完璧な野望は求めてない!自分が可愛いからこその野望!自分を良くする為に野望は在る!」
曹操は微笑みながら告げる。
「まあ道程は困難だろう。この先も多くの敵が私の前に立ち塞がるだろう。だが、だからと言って自分の信念を曲げる事に何の意味がある?それは最早逃げですらない。只の物だ。生命としての価値すら無い」
「所詮、民亡き国は国に非ずか」
曹操と董白の問答合戦を不安そうに眺める朱子真と陳宮。
(止せ!止めろ!これ以上口を開けるな!曹操が知ってはならない真実が白日の下に晒されてしまうぞ!)
だが、朱子真と陳宮の願いも虚しく、董白は人間に転生した魔王そのAに繋がる言葉を口にしてしまった。
「劉備(字は玄徳)という方は知っていますか?」
このタイミングで出てく
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