逃亡
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全員が学園祭の疲れからか静かに眠っている中、響は夜のIS学園の廊下を歩き生徒会室を訪れていた。
「時間を考えてくれないかね楯無」
「ごめんごめん、けど今日会ったことは今日中に整理しておきたいじゃない?」
「あぁそうかい」
響は小さくため息をつくといつも自分が座る席へどっかりと腰を下ろした。
「さて……今日起きた事だけど、響ちゃんは戦ってみてどうだった?」
「どうって別にどうも思ってねぇよ。あのオータムって奴も想像してたよりも大して強くなかったしな。個人的にはお前の目の前で閃光弾撃ったあのチビスケと戦ってみてぇな」
ケラケラと笑う響に楯無も肩をすくめると、口元に手を当てて今日相対した少女のことを思い出す。
「私個人の意見からすればだけど、あの子はきっと強いわよ。それでもいける?」
「上等。強くなくっちゃあ話にならねぇからな」
響の笑みは何処までも自身の力に自信を持った光を宿していた。しかし、それはISの力ではなく、彼女が本来持っている心身の強さの現われなのだろう。
高層マンションの最上階。豪奢な家具や装飾品で彩られた室内に場違いな音が響いた。
「テメェ!! ありゃあどういうことだ!!」
怒り心頭のオータムは少女の胸倉を掴み、壁に押し付けていた。しかし、少女の方は平然としており、オータムのことを冷ややかな眼で見つめるだけだった。
「……」
「何とか言えよクソガキ!!」
オータムは興奮した状態でナイフを取り出し少女の眼前に突きつけた。
「その顔ズタズタにしてやろうか……!?」
その凄みにさえ少女は全く動じずにオータムを見ていたが、そこでバスルームの扉が開き、透き通るような金髪の女性が現れた。
「やめなさいオータム」
女性に言われると先程まで鬼の形相だったオータムの表情が僅かに緩んだ。
「スコール……」
「怒ってばかりでは始まらないわ。少し落ち着きなさいな」
スコールと呼ばれた美しい容貌の女性はゆっくりとソファに腰を下ろし小さく息をついた。
「スコール、お前は私がこうなるってことを予想していたのか!?」
「ええ」
「だったらどうして言ってくれないんだよ!! ……私はお前の……!」
「分かっているわオータム、貴女は私の大切な恋人ですもの」
そういわれた瞬間、先程までの怒りは何処に行ったのかオータムは笑みを綻ばせた。
その後スコールはオータムと甘い雰囲気を漂わせていたが、少女はそんなものにまるで興味がないように部屋を出ようとした。
しかし、そこでスコールが彼女を呼び止めた。
「エム、サイレント・ゼフィルスの整備はちゃんとしておき
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