逃亡
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と耳を今すぐ塞ぎなさい!!」
その声を聞いた皆はすぐさま目を閉じ耳を塞いだ。それとほぼ同時に周囲にまるで稲妻が落ちたような轟音と眩いばかりの閃光が迸った。
……まさかフラッシュバンなんて物をこのご時世に使うなんて。
眼をつぶっていても痛いほどに伝わってくる閃光に顔をしかめる楯無であるが、それを尻目に少女はオータムのもとまで向かい彼女を回収。
そしてすべてが止む頃には飛び去っていってしまった。
後に残されたセシリアたちは苦い顔をしていたが、楯無と響だけは笑みをこぼしていた。
その日の夜、学園祭も無事終了し、一夏争奪戦も楯無の反則的な技で幕を閉じると、寮のロビーで響とシャルロット、セシリアにラウラが集まり今日起きた出来事の話をしていた。
「まぁそういう感じだ。ラウラはもうあいつ等の事はそれなりに知ってたんだっけか?」
「ああ。軍部のほうでも話には持ち上がっていたからな。しかし、実際相対してみたのは初めてだ」
「今回現れたのはどんな人たちなの?」
「一人は蜘蛛みてぇなISを持ってたオータムって女と、もう一人はどういうやつだっけ」
「……『サイレント・ゼフィルス』を駆っていた小さな女の子でしたわ」
セシリアはスカートを握り締めて悔しげにうつむいていた。それもそうだろう、BT兵器の適正では現在セシリアがトップクラスのはずだ。それをいとも簡単に自身の前で操られてしまったのだから彼女のプライドはさぞ傷ついたのだろう。
シャルロットたちがそれを心配げに見つめる中、響は立ちあがってセシリアの頭をもみくちゃにした。
「ひゃあ!? ひ、響さん!?」
「ったく、なにしょげてんだテメェはたかだか一回負けたくれーでへこんでんじゃねぇよ」
「で、ですが……」
「くどい。いいか、負けたと思うなら次戦うときに倒してやるって心持でいろや。私が知ってるお前は負けず嫌いなわがままお嬢様だぜ?」
ニヤリと笑う響に対し、セシリアはキョトンとしたが直ぐに笑顔を取り戻し響の言葉に頷いた。
しかし、その二人の背後では光の灯っていない瞳でシャルロットとラウラがブツブツとつぶやいていた。
「……僕だって駆けつけたらもっとがんばれたのに……」
「……私だって頑張ったと言うのになぜセシリアばかり……」
その後、今日は全員で大浴場へ行くということになり皆で裸の付き合いをした四人であったが、シャルロットとラウラは響に御褒美として頭を洗ってくれとせがみ、響はため息をつきながらもそれに答えた。
同時に風呂に入ったことにより黒く染めた響の髪の毛もいつもの金髪に戻り、三人は心底残念そうな顔をしていた。
深夜、生徒
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