逃亡
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あんな野郎見たことがねぇ!!」
苛立たしげに悪態をつきながら響に大して怒りを募らせているが、彼女の怒りはもう一人にも向いていた。
……あのガキはスコールがなんと言おうが関係ねぇ! 絶対にぶっ殺してやる!!
怨嗟の念をこめていたオータムだが、ふと水が止まっていることに気が付いた。
……故障か?
そう思って何の気なしに蛇口をひねってみるが、水が出ることはない。だが、彼女は水道の現状を見て息を呑んだ。
なんと水が空中で遮られていたのだ。
「これはっ!? AICか!」
「そうだ」
その声にオータムが驚愕し飛びのこうとするが、すぐさまAICで拘束されてしまった。
「クソがぁ!! ドイツのISか!!」
「ああ。そのとおりだ亡国機業」
ラウラの冷徹なまでの声が響きオータムは彼女を睨むが直ぐにラウラはそれを一蹴した。
「動かないほうが身のためだ。既に優秀な狙撃手が貴様の眉間に狙いを済ましているからな」
その声にオータムは苦々しい顔をするが、ラウラはそんなこと関係がないという風にオータムを睨んだ。
「ではさっさと貴様らの組織について吐いてもらおう。素直に話せば痛い目は見ずにすむぞ」
「誰が言うかクソッタレが!!」
「ふむ……では貴様が所持しているそのISはアメリカの第二世代のものだが……何処で手に入れた」
「だから誰が言うかっていってんだよ!!」
恨みがましい瞳でラウラを睨むオータムだが、ラウラはそれにため息をついていた。
「やれやれ、素直に吐いてくれればこちらも楽なのだが……。まぁいいだろう。私も尋問の術は心得ている。少し長い付き合いになりそうだな」
ラウラはそういうとオータムに近寄ろうとするが、プライベートチャネルからセシリアの焦った声が聞こえてきた。
『ラウラさん! 一機来ますはなれてください!!』
「なに!?」
ラウラが反応した瞬間、右肩をレーザーに貫かれた。
「ぐっ!!」
ラウラは眉間に皺を寄せながらも眼帯を取り外し『ヴォーダン・オージェ』を起動させるものの、続けてもたらされた三発のビームを避けることしかできなかった。
『ラウラさん早く下がってください! わたくしが行きます!!』
セシリアは弾道から敵機がいる位置を割り出して照準を向けるが、その姿を見た瞬間彼女の顔が強張った。
『まさか!? あれはッ』
セシリアの瞳に移っていたのはあらわすとすれば巨大な蝶のようなISだった。蝶を思わせるのはそのISのスラスターユニットであり、セシリアはその姿に見覚えがあった。
『……サイレント・ゼフィルスッ!』
自身が駆るブルー・ティアーズの二号機である機体がそこ
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