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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
誓いと呪い
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そうに立っているヤシロを見つけて、そう尋ねた。
だが、ヤシロは首を横に振って、
「ごめんなさい、私には分からない。ただ・・・私が鳴央お姉さんを見つけたときには、もういなかったよ。」
「そうか・・・鳴央はどこに?」
「このお部屋の中。なんだか心配で・・・」
「そっか。」
一輝は本当に心配そうにしているヤシロの頭を撫でて、微笑みかける。
「じゃあ、鳴央のことは俺に任せてくれ。・・・まあ、音央のことで手を借りるかもしれないけど。」
「でも・・・」
「いいから。・・・何かあったなら、感情をぶつける相手も必要だろうし。それは、ふがいなくも主やってる俺の仕事だよ。」
その言葉に納得したのか、あるいはいくら言っても無駄だと思ったのか、ヤシロはいつもの可愛らしい笑みを浮かべて、
「それじゃあ、鳴央お姉さんのことはお願いね?それと、私に頼りたいことがあったら遠慮なく言って!」
「そうさせてもらうよ。とりあえず、今はスレイブの相手とか、お願いしてもいいかな?」
「は〜い!」
ヤシロはそう返事をすると、走って去って行った。
そして、スレイブもまた、何も言わずに人間の状態に戻り、ヤシロのあとを追う。
「・・・湖札も、一度出てきてくれるか?あんまり知られるわけには行かないから、倉庫の中にでもいてもらうことになるけど・・・」
『・・・うん、分かった。頑張ってね、兄さん。』
湖札はそう言ってから一輝の中から出て、そのまま倉庫の中に入っていく。
これで、部屋の前に立つのは一輝一人のみだ。
そのまま一輝は部屋の扉をノックし、中からの返事を待つ。
「・・・はい、どなたでしょうか?」
「俺・・・一輝だ。中に入ってもいいか?」
「あ、ちょっと待ってください・・・はい、どうぞ。」
一輝は許可を得てから、部屋の扉を開けて中に入る。
そこには、ベッドの上に座っている鳴央の姿があった。
目が若干赤くなっていて、先ほどまで泣いていたのかもしれない。
「どうしました、一輝さん?何かあったんですか?」
「・・・そうだな、こっちは何もなかったよ。俺もスレイブも、何の問題もない。無事だ。」
「そうですか。それは・・・よかったです。」
そう言いながら笑みを浮かべる姿は、多少無理をしているようにも見える。
一輝はそんな鳴央の姿を見て、歯を強く食いしばってから近づき、率直に問いかけた。
「・・・何があった?」
「何って・・・そんな、」
「音央。」
一輝の言葉に、鳴央は黙った。
「ここにいないってことは、何かあったんだろ?・・・話してくれ、頼む。」
「・・・音央ちゃんは、浚われてしまいました。」
一輝の言葉に、鳴央は顔を伏せながらその時のことを話し始めた。
「誰に浚われたのかは、
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