第18話
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悠斗side
中東の春作戦を終えてから半年が過ぎた。半年の間に3つの紛争に介入し、全てを鎮圧してきた俺達は、久しぶりにドイツのリューベックに帰ってきていた。季節は秋から冬へと移行し始めていた。リューベックのフリードリヒ中将の自宅の客室のベッドで眼を覚ました俺は、何時もの様に庭に出て体を動かしている。
「せい!はあ!でりゃ!」
ローキック、ミドルキック、ハイキックの順に宙に蹴りを放つ。あまりの早さに枯れ草が宙を舞う。舞い上がった枯れ草を今度は拳で全て撃ち落として行く。
(ふーう。体のキレに問題は無いようだな。流石に3つの紛争に介入して、終わらさせてから2週間しか、経っていないが休息には丁度良かったしな)
ドイツに帰国してからは勲章を授与されたり、新聞やテレビの取材を受けたりして、割りと忙しかったがここ最近(2週間)は何事も無く、リューベックの基地で猟犬部隊やシュヴァルツェ・ハーゼ隊の連中と訓練をする程度だ。体を鈍らせる事は無いが、前線に居たときの様な死と隣り合わせの緊張感は無い。
(やはり、前線に出ていた方が気が引き締まるな。まあ、他の者達には辛いだろうが、所詮相手は人間だ。BETAと違い生き残る事はけして無い訳じゃ無い。上手く立ち回れば、相手を倒す事もできる)
BETAと違い、相手が人間ならばなんとでもなる気がしてしまうな。
まあ、基本的に対人ならば最悪捕虜になれば生き残れる可能性があるが、BETAには降伏は通用しない。そんな絶望的な世界で戦ってきた正なのか、紛争に介入している間は容赦しなくなってしまった。
(手加減は心掛けているのだが、どうも力が入り過ぎてしまう。もう少し実戦(戦争)で調整が必要か?それとも、精神修行の時間が足りてないのか?はたまた、絶対強者のスキルの正なのか分からない)
俺が腕を組んで悩んでいるて、足音が聞こえてきた。数は二人。どちらも男だ。
(うん?一人の足音は懐かしい気がするぞ?この、足音はもしかして!?)
「此方になります」
「ありがとうございます。帰りは一人で戻れますのでご安心ください。案内、どうもありがとうございました」
俺が声のした方を振り替えると、白髪に眼鏡を掛けた執事服を着た男性。九鬼帝様付きの執事、九鬼侍従部隊序列3位のクラウディオ・ネエロさんがフリードリヒ城の庭に来て居た。クラウディオさんは、確りとした足取りで俺の側にやって来た。
「お久しぶりです。クラウディオさん。帝様のお側に居られなくて良いのですか?」
「久しぶりですな。相変わらず、朝から精が出ますね。ヒュームが居たならば、手合わせを見ることも出来たでしょうに」
クラウディオさんが感慨深そうに言い放つ。久しく会っていないが、ヒュームさんならば、元気で紋白様を躾
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