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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第339話】
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る。
「……うーん。 んじゃ、キスで元には戻れないのか? 何か前にムラクモ――美春がそんなことを言ってたが」
「っ!? しゅ、しゅ、主君と接吻……!? た、確かにその方法でも戻れるとは訊いたことはあるのだが……。 せ、せ、接吻……」
やはりコアといえども恥ずかしいらしく、かなり狼狽している雅。
何だか三頭身ぐらいにデフォルメされた感じに見える。
まあ俺もキス以外で戻れるならそっちを選ぶが……キスが嫌ではなく、色々恥ずかしいし。
だが俺のそんな考えを他所に、雅は覚悟を決めたのか――。
「りょ、了解した! しゅ、主君がこのままここに取り残されては色々な人に迷惑をかける事になってしまう! ……そ、そう、これは主君の意識を現実に戻すために行うのだ……!」
何やら力強くそう言い聞かせようとしてる雅。
喋る口は饒舌で、かなりの早口だが聞き取れた。
「嫌だったら他の方法も模索するけど――」
「い、嫌ではないのだ!? しゅ、主君とは主従関係を結んだばかりなのにこのような事をして嫌われないのかが心配なのだ!」
……何の心配だろうか?
どちらかと言うと、俺が嫌われそうなものだが……。
「嫌いにならないって。 逆に雅は嫌じゃないのか?」
「わ、私なら大丈夫だ……。 しゅ、主君となら……せ、接吻しても良いと思う……ぷしゅー……」
二度目のオーバーヒート現象を起こす雅――苦笑を溢しつつ、あまり長居してるとシャルも心配してるだろうし。
「じ、じゃあ……するぞ?」
「う、うむ。 ……しゅ、主君、次に会うとき迄にはちゃんとした帰還方法を学んでおく……。 んっ……!」
瞼をギュッと瞑り、口付けしやすいように上顎をあげる雅。
両手を胸の前で握ってキスを待つその姿は、正直可愛く見える。
いつまでも躊躇していても意識は現実に戻らないので俺は雅の肩に手を置いてゆっくりと唇を重ねた。
その瞬間、雅はピクッと身を強張らせるもそれを受け入れる――そして、唇から伝わる柔らかな感触に酔いながら、瞼を閉じた俺の視界は真っ白に染まっていった――。
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