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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第339話】
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響した。
「……うーん、何と無く……打鉄が私を選べって言ってる気がしない、ヒルト?」
眉根を寄せて困ったような表情を見せるシャル。
流石にまた物が落ちたのは偶然とは言えない――現に、落ちたプラスドライバーは工具箱にしっかりと納まっていた物だから。
「……そうだな。 何だかそう言ってる気がするよ、俺も」
そう言って打鉄に触れる――ひんやりとした装甲の冷たさが手のひらから全身に伝わった瞬間、俺の視界は真っ白な閃光に包まれた――。
気が付くと、側にいたシャルは居なく、周囲も格納庫ではなく桜の樹が周囲一帯に広がっていた。
風が吹くと、桜の樹が揺れ、桜吹雪が舞い散り、一瞬にして視界を覆う。
――そして、少しずつ舞い散る桜の花弁が晴れていくと、晴れた場所には女の子が正座したまま座っていた。
その女の子は目を閉じ、正座したまま一礼を行い、顔を上げると瞼をゆっくりと開く。
「……主君、待っていました」
そう言った女の子と視線が絡み合う――と、ゆっくり立ち上がり、緊張した面持ちで真っ直ぐと見つめてくる。
髪は腰ほどまで長く伸びきったロングストレートだが、髪の色は紅蓮に燃え盛る様な真っ赤な色をしている。
顔立ちはシャープなのだが、やはり女の子らしく睫毛も長く、目も少し大きいが相対的に見るとこの子も美少女と呼べるぐらい可愛らしかった。
そして、着ている服装は鮮やかな色使いが美しい着物を見に纏い、端から見ても第一印象は大和撫子と言えるだろう――あくまでも見た目は。
そして、主君と俺を呼んだことと、彼女の声色で昨日の事件で使った打鉄と俺の中で完全に一致した。
だが一応念のため、呼んでみる事にする。
「雅……か?」
声を出したつもりだったのだが、思ってた以上に声が出なかった――だが、それでも聞こえていたらしく――。
「うむ。 こ、こうして主君と対面すると些か緊張してしまうな。 ……うむ」
返答をしたという事はやはり雅なのだろう――まあ声色で大体そうだとは思っていたが。
それはそうと緊張しているらしく、視線がさ迷っている雅。
苦笑を溢しつつ、俺は――。
「そんなに緊張するなよ。 昨日は話したんだし、それとも対面して話すのが苦手か?」
「そ、そうではないのです。 い、いざ主君を目の前にすると頭が真っ白になるというか……ぷしゅー……」
何故か湯気があがる雅――顔も赤く、いっぱいいっぱいといった感じに見られる。
「そんなに緊張するなって、ほら?」
赤い髪を撫でて落ち着かせようとする。
だが、撫でている途中で雅は――。
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