第百七十三話 遠足はイゼルローン
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して敬礼し終わるとケスラー大将が我々に座るようにと勧める。
「まあ座ってくれ。今日集まって貰ったのは他でもない。今回の捕虜交換に関しての事だ」
ケスラー大将の話に、皆が注目する。
「ケスラー閣下、捕虜交換に関して、噂が流れておりますが、それは本当なのでしょうか?」
我々の中ではテレーゼ殿下の尤も近くに仕えていたルッツ少将が質問をする。
「噂というと、殿下のイゼルローン要塞への行幸の事かな?」
「はい」
皆がケスラー大将の答えを待っている。
「結論から言えば、噂は真実だ」
ざわめく会議室。
「危険なのではありませんか?」
ルッツ少将が疑問を投げかける。
ルッツ少将の考えは当然と言えよう、今まで最前戦に皇帝陛下も含めて皇族が向かったことはあるが、皇女殿下が最前戦へ向かうことなど前代未聞だからだ。ケスラー大将は手を組み我々を見ながら答え始めた。
「卿等の疑念、心配は判るが、今回の件は帝国の今後に係わる非常に重要な事なのだ。その為にも陛下も殿下も、侯爵夫人にも納得して頂いた上で、殿下のイゼルローン要塞への行幸となった」
ケスラー大将から正式に聞いた事で会議室はざわめきに包まれた。
「ケスラー閣下、殿下のイゼルローン行幸に関して我々が呼ばれた訳はなんですかな?」
ロイエンタール少将がケスラー大将を値踏みするように見ているが、相変わらず斜に構えた御仁だ。
「ロイエンタール少将の考えも判る。今回は卿等を呼んだのは、卿等の艦隊を持って殿下のイゼルローン要塞への護衛をする事が決まったからだ」
殿下の護衛、この言葉に私を含めて士気が上がる気がした。
「成るほど、殿下の護衛に小官達をと言う訳ですか」
「そう言う事だ」
「しかし、我々の艦隊は正規の少将クラスの艦隊の半分しか有りませんが、それで大丈夫なのでしょうか?無論殿下の護衛を引き受けた以上は、殿下が恙なくお過ごしできるように致しますが」
ワーレン少将の言う事も確かだ、私を含め7人とも少将でありながらも、未だ1500隻しか艦隊を任されていない状態だ。更にケスラー閣下は正規の艦隊は指揮しておらず、旗艦の護衛として100隻程しか指揮していない。此では皆の艦隊を合わせても10600隻にしか成らない、殿下の行幸にしては些か数が足らないのではと私も思うのだが。
「その点に関しては、エッシェンバッハ元帥の直衛艦隊も共にイゼルローンまで行くために心配な無い。更に練度向上の為に訓練を行っている、メックリンガー、ビッテンフェルト、ミッターマイヤー各艦隊が此の程ヴィレンシュタイン星系で最終訓練を行う際に護衛として同行する事が決まっている」
成るほど、元帥閣下の艦隊と一緒なら25600隻だ、それにヴィレンシュタインまで3艦隊が同伴して呉れれば、此方の気を付
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