後見人と封
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して、結構拙い?」
「まあ、それなりに。二つ目の封が内圧に耐えられなくて弾ける寸前と言うところですね」
だから診察していたんですよ。と言い、カズキは器具を取り出していく。
針だ。数十本以上の細い針だ。ただしそれには本来針には必要ないであろうオーラが在った。
「私がするのは蓮華君に掛けられた二つ目の封を解く事だけ。そうすれば万事解決です」
ついでに、疲労回復効果もありますよ。
「因みにやらなかった場合は?」
「…………ご想像にお任せしますよ」
「お願いします」
その間が現実味を帯びさせた。うん、流石に自身の力が原因で死にたくないからな。
「では」
カズキは体に針を刺していく。
あ〜、何だか気持ち良い。というより、落ち着くな。欠けていた何かが嵌っていくかのよう。
「そう言えば、話は変わるけど、どうして篝火彩火と言う名にしたんですか」
「―――あの子の異能と名を与える前の呼び名でその名にしただけだよ。変かい?」
「いい名前だと思いますよ。イグニスっていう名前よりは、今の方が可愛いと思いますし」
「やっぱり分かったのか」
「ええ。まあ、気づいたのは今ですけど」
不完全燃焼だったのを頭を働かす事により紛らわしている。
さて、イグニスというのはラテン語で篝火、炎の意味だ。
篝火を苗字として、火を名前に入れて、彩は女の子らしいのを選んだ結果か?
その後処置が終わり、掛けられていた封は一つ解かれ、体の疲労が吹き飛んだのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
「……」
懐からキセルを取り出し、火を付け、一服。
最近子供が傍に居たので吸う事が出来なく、ご無沙汰だった。
「終わったようだな」
アテナが傍に立ちながらそこにいた。
「ええ、終わりましたよ。蓮華君に施された二つ目の封は解きました。後は時が進み次第です」
けれど――
「本当によかったんですかね」
「今更だろう。元より最初の封が解かれるのは予想できていた事だ。幾ら封魔師と言われた燐でも、アレには敵わんからな」
蓮華の中に居るモノには。
「蓮華君は何であんな力を持ってしまったんでしょうかね」
人の身に余り過ぎ、所持者を殺す力を。
「知るわけが無かろう。当人ではないのだからな。だが、受け入れられる器は用意したつもりだぞ」
「蓮華君次第ですね。本当に」
頑張りなよ。
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