第一章 護れなかった少年
第二十七話 悪夢 (前編)
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なら背中で受けた方がダメージは少ない!!
「ちょ、ソラ!!」
「大丈夫!!」
リズの狼狽した声に答えながら着弾の瞬間に備える。
「ぐ......う.......ぅあ......!」
歯を食いしばっていたが、それでも声にならない音が口から漏れる。
それをリズが心配そうに見てたので、背中の痛みを無視しながら、少しニコッと笑う。『大丈夫だよ』と言うメッセージを込めているのだが、もしかしたら引きつった笑みになっているかも知れない。
(クッソ......! 何故か若干痛いぞちくしょう......!)
本来なら痛覚働いていないハズなんだけどな......。
ガン! ガン!!
という衝撃を耐える。それと同時に減っていく僕のHP。
もう既に半分を割っている。
いや、今レッドゾーンに入った。
「ぐ......あ......あ.......ぅう......が......」
それでも耐える。耐え続ける。
少しずつ嬲られて減っていく僕のHPを見て段々リズの顔が青くなっていく。
と、そこでようやく衝撃が途切れた。
自分のHPゲージを見ると、もう既に残っているのか怪しいレベルまで減っていた。
「ちくしょ......次はこっちの反撃だぞ......」
「ちょ、大丈夫!?」
リズが心配してくれてるが、一瞥するだけにしておく。
若干ふらつきながら立ち上がり、HPポーションを一気に煽る。
結構上等な奴を使ったので回復は早いはず。
一気に地面を踏み込み、走る。
と、同時に額に一つ当たる。
そこまで痛くは無かったが腐ってもヘッドショット。
普通よりも多く削られる。 まぁ、死なないからいいけどさ――ッ!?
何かを吸われる感覚。一瞬で、頭にあの子が浮かび消えていく。
幸い、あの子の記憶が消えている訳では無いことを直ぐに確認した。
そして僕の身体に張り付いていた弾と一緒に額に付いた物も剥がれ、スライムの元に戻っていく。
そしてそれを追うように止めてしまっていた足を再度動かす。
そしてそこで《躱》を発動する。
躱を選択した理由はあの弾が来ても避けられるようにだ。
幸いなことに弾が一発も来ないまま、スライムが間合いに入る。
「仕返しだっ!!」
そう言いながら居合いをお見舞いする。
そして抜かれた刀身は、見事スライムを断ち切った......て、え?
何故かスライムの身体が崩れ始めた。
頭上のスライムのHPを見ると、凄い勢いで減っていく。あ、今二本目に入った。
なんだ......あのHPは見せかけだけか......。
何となくやるせない気持ちのまま刀を鞘に
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