第一章 護れなかった少年
第二十七話 悪夢 (前編)
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だ、絶対に。
と瞬間、
『ピギィッ!!』
スライムの身体から一部が分裂、そのまま弾丸のように飛んできた。
「なっ――!」
完璧に予想していなかった攻撃に反応仕切れず、躱そうとしたが、腕を掠った。
あたった弾丸のようなスライムの一部は、僕の身体に一瞬張り付いたかと思うと、直ぐに離れてスライムの身体に戻っていった。
慌ててHPを確認すると、ほとんどダメージを受けていない。
どうやら早いだけで、威力はかなり低いようだ。
と、今度は20個近くの弾がスライムの周囲を浮いている。
......え、あれ連射とかしてこないよね?
『ピピゥッ!!』
......何故かします、って聞こえたんだけど......。
そう思った瞬間、20発全てが一斉に発射される。
「ックソッ!!」
とっさに横に飛び、地面をごろりと転がりながら避ける。
弾が全て自分の横を通っていくのを確認、そのまま体勢を直そうとすると――
「う、嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!?」
なんと、通り過ぎていった弾が空中で急停止、そして僕に向かってまた飛んできた。
「追尾機能つきかよっ......!」
愚痴りながらもう一度横に飛んで転がりながら逃げる。
追尾型なら、逃げてボスにぶつける?
いや、ダメだ、その前に被弾する。
なら避けながらは?
左右にジグザグした走りをするならその分スピードが落ち、捕まる。
くっそ......どうしよ......。
そんなことを考えながら回避は継続している。
もう十回近く転がり続けているんだけどね......。
と、通算12回避けた所で、弾丸があさってな方向に飛んでいった。
一瞬助かった......と思ったがそれは違った。
「クッソ卑怯な手を使いやがって!!」
弾丸は明後日な方向に行ったわけじゃ無かった。
ただ単に的を僕からリズに変えただけだった。
「《閃》ッ!!」
咄嗟に突進スキルでリズの前に出る。
いくら、一発一発のダメージが少なくても20発も同時に喰らうと少しヤバい。
リズも同様、いやもっとヤバいかも。
となると、撃ち落とす、ってなるんだけど、それも不可能だ。
そして今からリズを連れて回避行動......間に合わない。
色々なパターンを頭でシミュレーションし、そして全てダメだ。無傷でここを乗り切る方法が無い。
なら......。
リズの前でバッと手を広げる。
所謂仁王立ちだ。
ちなみに顔はリズの方に向けている。
何故かというと、人間は背中の方が急所が少ない。中学の頃、背中でよく蹴りやらパンチを食らっていたから実証済みだ。普通の打撃程度
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