第一章 護れなかった少年
第二十七話 悪夢 (前編)
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ろと」
「そういうこと」
せーの、と二人でいいながら同時に手を置くと、窪みが光った。
「ぅあっ!?」
とっさに眼を腕で庇いながら眼を瞑る。
そして光量が徐々に少なくなっていくのを感じ、目を開く。
「わお......」
「これは......」
リズと二人で呟く。
目の前には既に壁は無く、漆黒の扉があった。
「行くよ!!」
リズにそう言いながら覚悟を決め、走り出した。
―☆―☆―☆―
あのあと、扉の中に入ったものの、直ぐにボスフロアというわけでは無いらしく、数十m走ったのだが、そこでまた扉を見つけ、入るとそこはいつものボスフロアだった。
しばらくと言うか29層以降攻略に加わってないので、結構久しぶりかな?
遅れてリズが入ってくる。
「ここ......だよね......?」
「その......はず、だけど......」
僕が聞いた理由は簡単。29層の時のように、何もいないのだ。
......すっごい嫌な予感しかしないんだけど。
29層の事を思い出しながら一人、警戒を強める。
辺りを見渡しながら奥へ進んでいく。
見た感じ、円状の場所のようだ。とりあえず、真ん中に玉座っぽい何か置いてあるし調べよ。
そう思いながら玉座に近づき、調べる。
お、面白い。何か背もたれの部分にハンマーみたいなのが――
「ソラ、上、上!!」
瞬間的にバックステップで下がると、さっき調べようと近づいた玉座の真上に何かが振ってきて、玉座が下敷きになり、壊れる。
あ、危なっ、あと少しで僕までぺちゃんこにされるとこだった。
「ありがと、リズ」
お礼を言い、再度前を向く。
恐らくさっき落っこちてきたのがボスだろう。
となると、一瞬の油断も出来ない。
そう思いながら前を向くと、そこには体長2m、横幅3mほどもあるプルプルした存在がいた。
......プルプル?
それはバウンドしながら反転している。
そして表面がこっちを向いたのか、動きを止めた。
......わからないけどね。どっちが前か。眼とか鼻とかないし。正直何処見ても一緒だし。
改めて観察してみると、地面にちゃんと接地されるように崩れた丸い形というか三角形というか......。正直凄え微妙。
と、そこでカーソルが現れた。
『《The nigthmare slime》』
日本語訳だと《悪夢のスライム》、ねぇ......。
HPゲージは少なく2本分。
カーソルは少し濃い赤。
所謂『強いけど普通に倒せる』レベルだ。
「リズ下がって」
そう言いながら居合いの構えを取る。
相手は腐ってもボスだ。油断はしちゃダメ
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