Episode5 変わらぬ決意
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を経ながら、だいぶ洞窟の深部まで歩いてきた。正直、僕一人ならこれだけの戦闘をこなしながら、ここまでたどり着くことは不可能だっただろう。元々、《隠蔽》でモンスターに気づかれないように狙撃ポイントまで移動し、攻撃を仕掛けるのが、僕のスタンダードな戦法だ。しかし、それはあくまで相手が一体のときのみ。二体以上なら戦わない。それを徹底して貫き通している。元々、弓は奇襲向けだし、どちらかといえば、援護に特化したスキルということも理由の一つだ。
(ん!?)
微かだが人の気配を感じた。常日頃、周囲を警戒する癖が身に染み付いているので、気配を読むことに関しては、自信がある。そこで、サポートスキル《索敵》で辺りを探る。
(これはモンスターとプレイヤー、それもプレイヤーは複数。ということは、パーティーで狩をしているのかな?)
正確な距離までは分からないが、それほど遠くはない。プレイヤーが《隠蔽》を発動していなければ5人。
「リズさん」
「ん?どうしたの?」
「この先で、狩を行っている人たちがいます」
「うそ!?」
驚いた表情を浮かべるリズさん。しかし、その表情に少し違和感を覚える。
「あちゃー。シン、それってマジ?」
「?はい、僕の《索敵》に反応があったので……」
リズさんは、がっかりした様子で肩を落とす。
「どうしたのですか?」
「えっとね……。この先に、あたしたちの目的のアイテムをドロップできるモンスターがいるのよ」
(なるほど、違和感の正体はこれのことか……)
もし、狩をしているプレイヤー達が、目的の<シルバーロック>と戦闘を行っている場合、割り込むのは、マナー違反になってしまうし、ドロップアイテムだけ頂戴するのは、都合が良すぎる。それに、そのパーティー内にマスタースミスが居るとは限らない。そうなると、リポップするまでの約三時間待たなくてはならない。
「一応確認しましょう。必ずしも、そのモンスターと戦っているとは限らないので」
「そうね。じゃあ、急ぎましょう!」
万が一ということがあるから、僕たちは足を速める。いくら自信があるとはいえ、《索敵》も万能ではないし、範囲にも限界がある。
通路を進んでいくと、開けた空間へと出た。広さが直径三十メートルくらいで、天井の高さが十五メートルくらいの半球型の空間。庭園などにありそうな、大きさが二メートル前後の化粧岩が辺りに散りばめられている。身を隠すのには、もってこいだろう。
「はぁー」
リズさんが大きな溜息をつく。期待虚しく、悪いほうの予想が当たってしまったからだ。この広場に足を踏み入れた時、銀色のゴーレムと五人のプレイヤーの戦闘が目に飛び込んできた。
「先客が居たんじゃ仕方がないか……、ここに居てもどうしよう
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