第一部 学園都市篇
第1章 虚空爆破事件
18.July・Night:『The Planet Wind』
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には再現不能な術式だったので不明ですが」
渡された三冊を念入りに見るが、邪悪さなどは見受けられない。否、中身を吟味するまでは『妖蛆の秘密』だってそうだったのだから、気は抜けないが。
それより、何より――――ニアルにすら再現不能な術式とは何か。その方に、嚆矢は寧ろ興味を惹かれた。
「……良い目です。それでこそ、私の弟子だ。しかし、こんな人外の境地に足を踏み入れてまで、君が成したい事はなんです?」
目の色を変えた弟子に、魔導師は笑い掛ける。黄金の蜂蜜の瞳は爛々と、燃え盛るような紅玉の瞳を見詰め返して。
「勝たなきゃいけない、相手がいますから。訳の分からない強さのソイツに勝つには、こっちだって、訳の分からないくらい――努力しないと」
悪辣に微笑み返す。脳裏には、只一人――――彼の知る内、最も強いその後ろ姿。
「第七位に勝つ為に、俺は――――他の誰より、努力しないと」
決意を新たに、琥珀色の満月を見上げた――――。
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