暁 〜小説投稿サイト〜
副部隊長と戦技教導官の色ボケな日々
<2:if編>
フェイトの場合 CASE−1
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ついで身体を拭き終えるとそのタオルを巻きつけて、フェイトはバスルームを出た。

ドライヤーでゆっくりと髪を乾かした後、
タオルの合わせ目を押さえながらクローゼットの中を覗き込むと、
何着か掛かっている黒い制服を手に取ってベッドの上に置く。

下着を身に着け制服を着込んだフェイトは、鏡で身だしなみを確認すると
部屋を出てゲオルグと待ち合わせている休憩室に向かった

休憩室にはベンチに座るゲオルグの背中だけがあった。
フェイトはそっと近づくと、ゲオルグのすぐ後ろに立つと手を伸ばして
ゲオルグの両目を手のひらでふさいだ。

「えっ!?」

突然視界を奪われたゲオルグは驚きの声を上げる。
そしてベンチから勢いよく立ち上がり後ろを振り返った。

「わっ!!」

「きゃっ!」

フェイトはゲオルグの後から腕をまわしていた。
それゆえに身体が密着するほどの距離まで近づいていたのである。
その状況でゲオルグが振り返ればどうなるか。
当然、2人の顔が接触せんばかりに接近することになる。
事実そうなり、2人はそれぞれに驚きの声をあげ、慌てて飛退いた。
2人とも頬を赤く染めていて、お互いの顔を見るのも気まずいのか、
目線をそらしていた。

そんな中、いち早く立ち直ったのはフェイトの方だった。
彼女は頬を赤らめながらも何度か大きく深呼吸すると、ゲオルグの方に向き直る。

「ところで、ゲオルグの話ってなんなのかな?」

「ふぇっ!?」

フェイトの問いかけに対してゲオルグは甲高い声をあげ、
フェイトの方にバッと顔を向ける。
その顔は心なしか赤みを増したようにも見える。

「ひょっとして・・・」

フェイトが真剣な顔でゲオルグの顔を覗き込むと、
ゲオルグはいよいよ顔を真っ赤にしてフェイトからスッと目をそらす。
その様子を見ていたフェイトは更に表情を険しくしてゲオルグの顔をじっと見た。
そして徐に口を開いた。

「エメロードのことで気になることでもあるの?」

「へっ!?」

フェイトの問いかけに対して、今度は目を丸くして素っ頓狂な声をあげるゲオルグ。
パチパチと何度か目を瞬かせると、小さく首を振った。

「別にないよ」

「えっ、そうなの?」

ゲオルグの返答に対して今度はフェイトの方が目を見開いて驚きの声をあげる。

「深刻そうな顔で"話がある"なんていうから、てっきりそういうことだと
 思ったんだけど、違ったんだ」

「うん。 大体、エメロードの取り調べもまだだしね」

「言われてみればそうだね」

ゲオルグとフェイトはお互いに苦笑を浮かべながらクスッと笑う。
しばらくして、フェイトが思いついたように首を傾げた。

「あれ? じゃあ、ゲオ
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