第一幕その五
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「あの頭が伸びて頭突きを浴びせてくる」
「そう、ああした人達もいるから」
「モジャボロさんがおられれば」
「ああした人達に対しても大丈夫だしね」
それにとです、さらにお話するドロシーでした。
「私が案内役を務めるから」
「モジャボロさんとですね」
「一緒に」
「それにトトもいるわ」
ドロシーの一番古いお友達のあの小さな黒犬も旅に同行するというのです。
「だから安心してね」
「はい、楽しくですね」
「チョッキンペットの村と兎の国に行って」
「チョッキンペットさんと兎の王様へ都でのパーティーへの招待状をお渡しする」
「そうするんですね」
「僕達全員で」
「そうしましょう、パーティーには皆が来るから」
その皆はです、どういった顔ぶれかといいますと。
「かかしさんやブリキの木樵、臆病ライオン達も一緒よ」
「うわ、皆さん来られるんですか」
「オズの国の方々が」
「ええ、だからね」
それでだというのです。
「貴方達もパーティーに参加してね」
「はい、では期待しています」
「そちらのパーティーも」
「さて、それではね」
お話が一段落したところで、です。オズマが皆に言いました。
「もうお昼よ。皆で食べましょう」
「オズの国の中華料理」
「それをですね」
「そう、皆で食べましょう」
こうにこりとして言うのでした。
「モジャボロがお風呂から出て来たらね」
「わかりました、それじゃあ」
「あの人が来られたら」
五人は笑顔でモジャボロを待つことにしました、するとです。
あのモジャモジャに長い髪の毛とお髭に丁寧にブラシを入れてつぎはぎだらけでも綺麗に洗濯されてアイロンもかけられている服を着たモジャボロが来ました。お風呂からあがってきたばかりなので身体からとてもいい香りがしています、そのモジャボロに会ってです。五人は笑顔で彼のところに集まって言うのでした。
「こんにちは、モジャボロさん」
「お待ちしていました」
「僕達またオズの国に来ました」
「それでモジャボロさんと一緒にカドリングの国に行くことになりました」
「ああ、君達も一緒に来てくれるんだ」
モジャボロは五人の言葉を受けてぱっと明るい笑顔になって言いました。
「それは嬉しいよ。やっぱり旅の仲間は多い方がいいからね」
「はい、ですから」
「宜しくお願いします」
「こちらこそね」
お願いするとです、とても気さくに応えるモジャボロでした。
「宜しく頼むよ」
「はい、じゃあ今から」
「まずはお昼ですね」
「お昼を食べてね。君達もお風呂に入ってね」
自分と同じ様にというのです。
「それで今日はゆっくり休んで明日の朝に出発しよう」
「カドリングにですね」
「あの国にですね」
「うん、あの国に行こうね」
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