第30話「麻帆良祭〜戦うタケル〜」
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い存在と強制時間跳躍弾を使わなければならないという相手の状況がタケルに大きく味方をした。
タイミング勝負と相手の不利が存在していたからこそとれる最速で片をつける手段。
それが上手く功を奏したこととなった。
「次」
誰もいなくなった空間に小さな声と足音がコダマしていく。
「……駄目でしたか」
センサーが探知していた生体反応が一つ消えたことを確認した茶々丸は長めの息を吐いた。
そのまま外へ出ようとせずにこちらへ向かってくるということは勝ったのはタケルということに、当然なる。
「超 鈴音に報告して……? ……!」
パネルを走査。マナの敗北と自身の危機的状況を送信した瞬間だった。
誰にも立ち入れぬはずの空間そのものに亀裂が生じ――
「まさか……本当に空間を?」
空間を破るなど人間業ではない。ありえないものを見るようにそのヒビを見つめて。
――鋭い光が空間を貫いた。
「あ」
呟いた時には既に遅し。
断絶された場であるがゆえに逃げ道はない。物理と魔法障壁を共に完璧にめぐらせていたからこそ、手ぶらの茶々丸には動くことさえできない。
つまり。
――龍宮 真名さんからの戦利品ですね。
「……さすが大和先生です」
自分を包む時空間を分析しながらも抵抗する瞬間すら与えなかった彼の手際を素直に褒める。
茶々丸の言葉には答えず、日常の放課後のように、彼は告げた。
「さよなら、だ」
そして。
茶々丸はこの空間、この時間から消えた。
――これで龍宮さんと絡操さんはいなくなった。
つまりそれは地上の巨大生体ロボが止まり、学園側にとって最も厄介であっただろうマナの狙撃すらもなくなったということ。
――勝ちの目が大きくなった。
とはいえ、相手にはまだ超鈴音と大群の雑魚型ロボが残っている。
薬莢に残っていた最後の強制時間跳躍弾を懐に入れて、彼は歩き出す。
そして、地上。
タケルが最も頼りにしていたタカミチ。
「どうカナ、高畑先生。私の仲間にならないカ?」
「……!」
そもそもタカハタが持つ僅かな迷い。そのほんの一瞬の隙をつかれて、超に敗北していた。
「では、また高畑先生。また3時間後、私の計画の成功後の世界で」
「……」
成す術なく飛ばされたタカミチを見届けて
「さて」と小さく呟く。
――これで残りの主力はあと一人ネ。
ポケットに忍ばせていた情報端末を取り出し「龍宮さんと茶々丸が沈んだカ」
――これで情報面での流布が大幅に遅れるカ……この魔法に成功すれば遅かれ早かれ計画は成就す
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