第30話「麻帆良祭〜戦うタケル〜」
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つまりは着弾=転送という特性をタケルは逆手に取った。
そして、そのための最も大事な一役を担ったのがタケルの生命線ともいえるガンツ兵器。
着弾後、威力を発揮するまでに数秒を要するXガンと一度捕縛すれば完全に四肢の動きを封じることの出来るYガン。
後はこれらの武器と情報を上手く活用するだけだった。
つまり、コトの顛末はこうだ。
――――――――――――
「どっちも、だ!」
二人が駆け出したとほぼ同時に武器の引き金を引いた。
龍宮からは強制時間跳躍弾が吐き出され、次いでタケルからは見えないXガンの銃撃が吐き出された。
――よし。
タケルが彼女よりも銃撃の発射を一瞬だけ遅らせたのは計画通り。
あとは。
――……3。
心の中でカウントとすると同時に、マナの放った強制時間跳躍弾にあえて被弾。
「しまった!」
「なっ」
どこかわざとらしい呆然とした声に、マナの驚いた声が重なった。
――……2。
「どういうつもりだ、大和先生?」
「くっ、油断した」
――1。
「……?」
吐き出されたその言葉に怪訝な顔をして見せ、だがこの銃弾を一度食らえば誰であろうと脱出は不可能だという誰もが持つ認識が、当然マナの頭にもよぎった。
「私の買いかぶりだったか?」
あまりにもあっけない幕切れに、さすがの龍宮も一瞬、戦闘態勢を解き――
「――ゼロ」
言葉と同時、Xガンがその威力を発動。既に強制時間跳躍弾に取り込まれていたソレの銃撃は対象物をまきこもうと大きく広がった空間の内部から爆発。
時間そのものに干渉するその跳躍弾は外部からの衝撃に関して一切の干渉を許さない。ただし、その空間を形成するエネルギーそのものが狙われれば話はまた別。デリケートな扱いを要する時間跳躍という現象は、些細な数値の変化すらも読み取り瓦解する。
タケルを包み込んでいた強制時間跳躍弾が霧散し、ソレと同時にYガンが発射されていた。気を抜いた瞬間という最も致命的な隙をつかれたマナにそれを避ける術はない。
いや、正確にはどうにか飛び跳ねることでそれを避けることに成功していた。しかしロックされていたソレは例えかわされたとしても追跡する。
飛び跳ねるという無茶な体勢で避けたこともあって今度はなす術がなかった。彼女の懐にある転移札を使用しようと手を伸ばしたところで捕縛。
地面に縫い付けられる形となった。
Yガンによって動くことの出来ない彼女に、彼女自身の強制時間跳躍弾を放てばあとは知っての通り。
―――――――――――――
というわけだ。
つまり、ガンツ兵器という相手が知りうるはずのな
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