第30話「麻帆良祭〜戦うタケル〜」
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な道をさまようことになるのが関の山。
「……」
支障は無いだろうと茶々丸は判断した。そして仕事を進めようと、再度電子世界に身を委ねようとした時だった。
室内に赤いランプとブザーが響いた。
「!」
驚くべきことに、その人物はフェイクもダミーも罠すらもいとも簡単に抜けてきたのだ。
「……なっ」
さすがに驚きを隠せない茶々丸の目前にタッチ式パネルが出現。その画面に映し出された侵入者に、さらに目を見開いた。
「……猛先生」
――いいか、もしもタケルがお前を追い詰めたら早々に降参しろ。お前は機械製な分、下手したら粉々にされかねん。
彼女のマスターの言葉を思い出す。
「やはり、あなたですか」
魔法も気も、一切用いることが出来ない凡人。いや、それどころか未来永劫それらの力を手に入れる素養すらもない凡人以下の非凡人、大和猛。
だが、その凡人はあらゆる魔法使いをものともせず、かの真祖の吸血鬼にすらその実力を認められている、おそらく最強の凡人。
理屈もなく、なぜかただ強い。
「ですが、私もただ黙ってやられるわけにはいきません」
まだ、タケルは探索中。彼女が追い詰められたわけではない。こういった時のために予め用意してあった通信パネルを開き、すぐに送信。
「……あとはどちらが早いかですね」
まるで本当の人間の如く、いやそれ以上の美しい笑みを浮かべて。
彼女は呟く。
「罠か……厄介だな」
迫り来る強制時間跳躍弾をXガンで相殺し、道を進む。
フェイクもダミーも、結局はガンツのコントローラーに表示される地図と赤点だけを目指していれば方向音痴だろうが惑わされることはない。
だが、入り組んだ迷宮のようなこの地下道で、所々に設置された罠を見破ってかいくぐる技量は残念ながらタケルにはない。
「っと」
壁の影に設置されていた無人兵器が実弾を吐き出した。すかさず銃弾の合間を縫って身を翻しながらもガンツソードを投擲。寸分の狂いなく命中したソレは火を噴き、床に四散した。
どうもここまで来ると実弾が装填されているようで、逆に対処が楽になっている。
「……あの強制的に飛ばされる弾がなければここまで慎重に進むこともないんだが」
こんな地下に人が来ることを想定しておらず、強制時間跳躍弾を用意していなかった可能性が高いのだが、それすらも罠で大雑把に進んだ所に強制時間跳躍弾を食らってしまえば元も子もない。
つまり、タケルには慎重に進むという選択肢しか残されていない。
「さすがに天才コンビに本物の戦士と超高性能技術ロボの凶悪な組み合わせなだけがあるな」
――こうやって時間をかけ
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