第七話『ソロ』
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小鳥遊翔馬はC-110によって”飛ばされ”、その後、森で出くわしたディヌアの兵士と3度ほど戦闘した。
小鳥遊は3度の戦闘を終えてもなお、歩みを止めなかった。
4月4日 22:00
小鳥遊は未だにアサルトライフルを持っていて、森にいた。
小鳥遊は一休みできそうな場所を確保すると腰を下ろし、泰河が無事でいる事を信じ、多機能腕時計を使い泰河に電話をした。
数秒の沈黙が訪れた……。
小鳥遊の脳裏を嫌な予感がよぎる。
だが、すぐに
『もしもし、翔馬か!?』
と泰河の声がしたので、内心ホッとする。
「あぁ、泰河だな。無事で良かった……」
『なんとかな。お前がいなくなって焦ったけど、なんとかなるもんだな』
快活な笑い声が腕時計を通して聞こえてきた。
「泰河、今どこだ?」
『相変わらず森の中だ。一寸先は闇だな』
「俺も森の中だ。多分泰河とはあまり離れてない」
『”あまり離れてない”って、なんで分かるんだよ?』
「敵兵に喋らせた(拷問的な意味で)」
『そ、そうか……』
「……あ、そうだ。あの人型兵器は結局、なんだったんだ?」
『あ〜、やっぱり敵勢力だった。強制覚醒装置っていうのを装着しててだな……』
泰河の言葉を遮り、
「知ってる」
『そっか……って事はお前もあれから戦闘したのか?』
「あぁ、3回。敵の持ってた端末に強制覚醒装置についての資料が載っていた」
『大変だったな……』
泰河の声が一瞬、重くなった。
「大変だった。それよか泰河」
『ん?』
「俺はこのまま榊町に向かうけど、泰河はどうする?」
『えっ!?お前、このままソロで榊町に行けるのか?』
「行ける」
『そ、そっか。じゃあ俺も榊町に向かう。恵奈とは連絡とれたか?』
「いや、さっぱりだな……電話しても応答がない。不在着信みたいになる」
『そっちもか……俺も何回か電話かけてるんだけど、繋がらねぇんだ』
「なるほど。泰河の方は榊町までどのくらい日数かかる?」
『ん〜、2日ぐらいかな。6日には榊町に着くと思うぜ』
「分かった。俺は7日に着くと思うから……」
小鳥遊が少し考え込んでいると
『俺が7日まで待つ。それでどうだ?』
「そうしてもらえると助かる。
っつかありがと」
『んじゃあ決まりだな。7日に榊町で!』
「ああ……」
小鳥遊が頷くや否や、電話がブツッと切れた。
小鳥遊は、黒く染まった夜空を見上げた。
(今日はもう遅い。明日に備えて寝るか……)
小鳥遊は適当に寝転がると早々に寝息を立て始めた。
4月5日 5:30
小鳥遊は、夜明けと共に行動を開始した。
できる限りの全速力で榊町に向かう。多機能腕時
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