第一話『紫の第六位』
[2/3]
[1]次 [9]前 最後 最初
場にいた。
現在、私は『学舎の園』にいるようだ。
迷子になって立ち往生していると、
茶髪のツインテールの女学生に声をかけられた。
「ちょっと。そこのあなた、何をしているんですの?名前は?」
鈴の音のような声だった。
「天野 叢雲。それが私の名前です」
それを聞いた茶髪ツインテールは、ギョッしたように言った。
「す、すごい名前ですわね。”天叢雲剣”って……三種の神器!?(漢字見えてない)」
茶髪ツインテールが頬をピクピクと引きつらせながら言う様は、私には不思議に思えた。
けれど、私は茶髪ツインテールに名前を聞いみた。
「あなたの名前は……?」
すると茶髪ツインテールは疑念を振り払い、腕を組みながら自慢げに言い放った。
「私は風紀委員の白井 黒子ですのよ!」
「風紀委員なんですか?すごいですね!尊敬します!」
風紀委員という言葉に聞き覚えはあった。確か『学生たちによる学園都市の治安維持機関』みたいなモノだった気がする。
白井黒子は思う。
(この”天叢雲剣”さんは、怪しいところが多すぎますの。
普通なら風紀委員と聞いても驚きはしないし、何より、わたくしの腕章を見れば一目でわたくしが風紀委員であることはわかるはず。
そして男なのか女なのか分からない中性的な声。やや声の高い男子か、やや声の低い女子か。
そして妙に制服のサイズが身体に対して小さい。
極めつけに、”天叢雲剣”と言う名前!
怪しすぎますの……!)
白井黒子と名乗る茶髪ツインテールは私に生徒手帳の提示を要求してきた。
私は制服のポケットを探り、生徒手帳を差し出した。
すると白井黒子は生徒手帳に素早く目を通し、額に汗を浮かべて言った。
「あなたは一体、誰ですの!?」
生徒手帳に記載されていた顔写真と私の顏が違うのと、生徒手帳に記載されていたは生徒名と、私の名前が一致しないためだろう。
叢雲は「ですから私は……」と右手を白井黒子に向かって伸ばし、
「天空の”天”に野原の”野”に天叢雲剣の”叢雲”で、天野叢雲ですよ」
と言い終えた直後、
叢雲の右手の指先から紫色の物体が鋭く伸び、白井黒子の左肩を貫いた。
「な……んで……すの……?」
白井黒子の左肩から真紅の血が噴き出していた。
私が少し右手を動かすと、白井黒子の左肩は深く抉られ、彼女の顏が苦痛に歪む。
「白井黒子さん……でしたっけ?」
叢雲はつまらなさそうに言った。
「職務質問は必要以上にしないことです」
その言葉を最後に、叢雲は右手及び紫色の物体を引き抜いた。
左肩から紫色の物体が引き抜かれてもなお出血は止まらない。
もう白井黒子は不思議と痛みを感
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ