暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
第6章:女の決意・男の勘違い
第36話:騙される方が悪いのだと思う
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
(結界の祠)
リューノSIDE

「おぉ! これで進化の秘法も完成致します……ふっふっふっ、もう皆様と話を合わせる必要もないですな! ルーラ」
お父さんから黄金の腕輪を受け取ったエビは、遂に本性を現しルーラで何処かに逃げてしまった。

「あ〜あ……やっぱり騙された」
これはウルフの台詞。
「でも、この世界の勇者様達が何とかしてくれるよ……未来人に頼る事なく」
これはお父さんの台詞だ……

「え……つ、つまり?」
つまり、我がグランバニア王家には一切の責任は無く、この時代の人々が力を合わせて強化された魔族共を倒さなければならない。それを私達がみんなに告げると、一斉に青ざめて絶望を顔に浮かべた。

「わ、解ってたのなら……奴の作戦を解ってたのなら、腕輪を渡さないで下さいよ!」
「おいおいシン君、君らが渡せと言ったんだぞ! 何も考えずロザリーさんの涙に絆されて、敵の思考を読みもせず、一方的にリュカさんに迫ったんだぞ! 文句言える立場じゃねーだろ馬鹿!」

辛辣……ウルフの言葉は辛辣だ。
笑顔で言ってはいるのだが、辛辣な内容に誰も口を開けない。
痛い沈黙が辺りを支配する。

「まぁ……ロザリーと約束はしたから、デスピーの事は僕が何とかしようと努力してみるけど、完全な進化の秘宝を手に入れたエビちゃんの方は、責任のあるみんなが何とかしてよ」
そう言うと泣いてるロザリーの頭を優しく撫で、これ以上涙のルビーがこぼれない様に抱き締める。格好いいー!! お父さん格好良すぎるー!!

チラッとウルフを見たら……
「ズルイ……良い所だけ取りやがって……俺、悪者みたいじゃん!」
って、ふて腐れてる。こっちは可愛いよぉ!

「はぁ〜……悪者ついでに言わせてもらうけど、君達は自分が世界を救うと言う事に、自覚がなさ過ぎる!」
嫌われ者になりそうなウルフが、ついでに皆さんへ苦言を呈するみたいです。
お父さんは『放っておけば良いのに……』って顔ですけど。

「世界を救えば否が応でも名前が知れ渡る。有名人には、そのお零れに与ろうと大勢の人間が群がる。中には、勇者等の名前や存在を利用して悪事を働こうと考える者も少なくない! 相手が何を求めているのか……何を目当てに、自分に近付いているのか……それらを(つぶさ)に理解して対応しなければ、心ない者の悪事で不幸になる人々が続出するんだ。今回の事だってそうだぞ……ロザリーさんは身内(彼氏)の事しか頭に無いから、藁にも縋る気持ちでエビの言葉に騙されてしまったが、彼女の涙だけを見て安っぽい同情心からリュカさんにプレッシャーをかけて騙されたお前等は、世界を滅ぼそうとしてるエビに荷担したのと同じ事だと理解しろ! その上で、文句があるのならリュカさんに文句を言えば言い……何も考えてない馬鹿が、何
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ