第6章:女の決意・男の勘違い
第36話:騙される方が悪いのだと思う
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も考えずリュカさんに文句を言うんじゃない!」
まくし立てる様に言い切ったウルフの台詞に、シン等は誰も反論できない。
お父さんが苦笑いしてるだけで、私もマリーもリューラ・ビアンカさんまでも、厳しい目で彼等を見詰めている。
「ウルフは優しいな……わざわざコイツ等に教えてやるなんて」
「言わなきゃ解らないでしょう。俺等にとって過去という歴史を築く者達なんですから……馬鹿なままじゃ困るんですよ」
お父さんの言葉に、厳しい表情のまま冷たく言い切るウルフは、やっぱり格好いいです。
「良いんだよ……どうせ未来では世界が混乱して、それを僕の息子が救うんだから。馬鹿な先祖は、馬鹿なまま世界を構築して行くんだ。そしてそれを止めるのは、天空で胡座をかいている神様なのに、アイツも役立たずな馬鹿なんだから」
それが歴史なのだから仕方ないのだろうけど、歴史に翻弄されたお父さんには、愚痴の一つも溢したいのだろう。
自分達の責任ではないシン達には、いい迷惑以外の何物でもない。
みんな俯きながらお父さんの後に付き従うのみ……
そんな反抗精神が微量だから、時代に流され席巻できないのだ!
我が家を見習ってほしいわね……
リューノSIDE END
(デスキャッスル)
シンシアSIDE
私を含むシン達は、その飛び抜けた強さをさらけ出すリュカさんの後を、ただ黙ってついて行く……
未来の混乱を一手に我々の所為にされ、反論したくとも敵の口車に乗せられた事が重くのし掛かり、誰一人何も言えず彼の強さに脱帽するばかり。
鉄球魔神が繰り出す巨大な鉄球を、平然と素手で受け止め倍の威力で投げ返すリュカさん……
デビルプリンスが放つベギラゴンを、バギクロスで押し返し灼熱の竜巻で討ち滅ぼすリュカさん……
ガーディアンが吐く凍える吹雪を素早く避け、相手の懐に入り込むなりドラゴンの杖で敵を吹き飛ばすリュカさん。
どの敵もシン達では大苦戦する事間違いなしなのに、たった一人で倒し続けるリュカさんを見て、皆が自分の存在意義に疑問を浮かべる様になってきた。
未来の神様が、彼をこの時代に送った理由が良く解る。
「な……凄ーだろ? 以前に『リュカさんが相手じゃ、俺等は1秒未満で瞬殺される』って言ったけど、これで解っただろ?」
アリーナさん達に視線を向けたが、マーニャさんとミネアさん以外はキョトンとしてる。
多分、皆さんが揃う前に言った事なんだろう。
「まぁ、この時代の勇者さんは弱いからなぁ……元の時代の勇者だったら、強すぎて適わないよ」
「親馬鹿言ってんじゃねーよ! この面子にティミーさんを加えたって、リュカさん相手じゃ勝てる見込みは無いっての!」
「馬鹿はお前だ! 僕の息子は……血の繋がった息子は強
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