クラス代表戦と赤い傭兵 前編……です。
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機の設計データを用いて作り出されたRSである。
右肩に大型近接ブレードの<GNバスターソード>を装備した近接に特化しつつ突撃と射撃を両立した無線誘導端末の<GNファング>を8基搭載しているほか<GNハンドガン>や<GNビームサーベル>といった近〜中距離戦で効力を発揮する強力な兵装がそろっている高性能な機体である。
動力には<GNドライヴτ>を使っておりRCIが保有するオリジナルの太陽炉とほぼ同等の粒子放出量を誇る。
ただし、この動力には活動限界がある。最大の連続戦闘可能時間は50分と大きく制限されていることに加えて動力のメンテナンスと再稼動には8時間を要するなどの欠点もいくつか存在している。
が、結果的に言ってしまえば<ツヴァイ>はあくまでも試験機である。
[ケッ……さっさと体を手に入れて本物の酒が飲みたいぜ。―――まぁ、今回の仕事が待ちに待った宣戦布告ってわけだが。せいぜい楽しませてくれよ?ツヴァイさんよぉ……。]
暗い電脳のラウンジで酔えない酒を片手に彼は口角をつり上げながら嗤っていた。
それに答えるようにツヴァイの疑似太陽炉が唸りをあげる。
紅い死のGN粒子は皮肉にも美しいものである……そのGN粒子が生物の細胞を傷つけると劣化や細胞異常を引き起こすほどの極めて有毒性の強いものとなっている。
しかし、彼からすればそんなことは関係ないのだ。戦争ができればそれでいいと思っているだけの男なのだから……。
[さぁ……我が望みの道を……人の勢力圏縮小と管理を掌握するために―――闘争の狂争曲を奏でようではないか。]
彼の、ル・コボルの計画が動き出す。
地球圏の人類の管理と地球環境再生のための―――人類縮小計画が産声を上げるのであった。
●
○Noside
試合当日。
春奈は第2アリーナの控え室にいた。
クラス対抗のリーグマッチとなるはずだったので勝ち進んで鈴と当たると彼女は予測していた。
しかし、試合の1週間前に発表された初戦の相手が鈴だったことには春奈も心底驚いていた。
そして、一夏の白式も修復が間に合わなかったため代理で春奈が出場することになった……いや、正確には彼女が立候補したのだが。
先日の出来事を目撃していた面々と天地、一夏の推薦もあったのでスムーズに決められた。
「売られた喧嘩は買わない主義だったのですが……なんともいえませんね。」
春奈は自分しかいない控え室でポツリとつぶやいた。
「さて、もうそろそろ時間ですね。……ピットに向かいましょうか。」
控え室を出て春奈は早足でピットに向かう。
彼女はこの1週間に天地の手を借りて対近接格闘の訓練を重点的に行っていた。
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