第W章 月華の叫び
第019弾 「着地」
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2006年 5月 13歳
「すみません、ご主人様。リサがシャ−ロック卿の怒りに触れたばかりに」
リサは目から大粒の涙を流しながらそう言う。
―――ん?リサに座標移動見せてなかったけ?
疑問に思い、記憶を掘り越してみるが........俺は一度としてリサに自分の能力を見せていなかった......うわ−どうやって謝ろう......。
「ですがご主人様、ご安心ください...リサが最後の時を共にします!」
――――ギュ!
涙を流し、顔を”くしゃくしゃ”に歪めたリサは落下していく俺を抱きしめる........。
――ん−、パラシュートの無いスカイダイビング楽しかったけど、もういいや。
リサの泣き顔をも少し見ていたい気もするが、これ以上リサに怖い思いをさせるのは忍びない。
俺はそう決心すると、座標移動で、近くを落下している荷物をかき集め、リサと自分自身と、共に人の居なさそうな所に転移する。
――――ヒュン
「よっと、到着−」
「へ?」
顔を涙で”くしゃくしゃ”にしていたリサは、地面に足が付いた感覚に間の抜けた声を上げる。
「ご、ご主人様、ここが天国なのですか?」
リサは、自分達が生きている事をしっかりと、認識していないのかそんなことを言う。
「いや、ここはあの腐れ迷探偵に放り込まれた場所の500m下にある町だぞ..........。俺のステルスで転移させた.....」
リサに能力を説明してなかったことに負い目を感じて、言葉の最後を濁してしまう。
「モーイ!ご主人様は射撃や徒手格闘だけではなく、ステルスもお持ちだったのですね!」
俺が目をそらしつつ、そう言うと、リサは大粒の涙を拭い、嬉しそうに顔を輝かせながら俺を褒めた。
「あ、うん」
リサの反応が思ったのと違い、テンパってしまった.........。
☆★☆★
「さて、ここは何処だッッーーー!!!!」
明らかに日本やアメリカでは無い、ヨーロッパ風の街並みを見ながら、そう叫ぶ。
俺が街中で恥ずかしげも無く叫ぶという、羞恥プレイを行っている中、リサは"そわそわ"しつつ任務の時に持っている、大きめの鞄をいじっていた。
「ご主人様!ご主人様!この鞄に、シャーロック郷からの、任務必要物資が入っていますよ!」
"褒めて褒めて"と、言わんばかりに目を"キラキラ"させて、俺に言う。
「よし!でかしたぞ、リサ!で、中には何があるんだ?」
リサを適当に褒めつつ、早く内容を言えと、話しを催促する。
「はい!シャーロック郷からは、標的の居場所が書かれた地図と、治療セット、最後に拠点の場所が書かれた地図ですね」
―――俺が傷を負う事が前提とか......取り敢えず、三回
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