第二章 八話 ネージリンス・ジャンクションへ
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ユニコーン ブリッジ
ユニコーンのブリッジでは、白野がギリアスと星図を挟んで今後の方針について討議を行っていた。
「で、ギリアスはエルメッツァに行ってみたいわけか」
「ああ。ニーズの酒場で聞いたんだが、最近エルメッツァじゃこの前潰したスカーバレルの本隊が幅をきせてやがるらしい。修行ついでに連中をとっちめてやる」
「スカーバレル(金蔓)ねえ…だがな、カルバライヤにも腕の立つ海賊はわんさかいるぞ」
「へえ、そうなのか?」
「ああ。たとえば、ランカーのサマラ・ク・スィー」
「サマラ?あの上位ランカーの?」
「そのサマラだ。まあ、安心しろ。今のお前じゃ這々の体で逃げ出すが精一杯だろうさ」
「ひでえな。俺だって強くなったぜ?」
「俺に一撃入れられるようになったならそう言っていい」
「うぐ…」
そこで、白野は星図の隅を指でつついた。そこにはネージリンス・ジャンクションと表示されている。
「そこでお前にはネージリンス・ジャンクション行きをお勧めしよう」
「ネージリンス・ジャンクションか。ここから繋がってたな」
「そうだ。ネージリンス・ジャンクションはネージリンスの他国との交易の要所だ。事実、エルメッツァ、カルバライヤ、ゼーペンスト自治領と繋がっている」
ギリアスがボイドゲートと表示された光点を突つく。
「ゼーペンスト?なんだそりゃ」
「自治領だ。有名どころでは、お前も一度通ったあのカシュケントなんかだな。仕組みくらいは知っているだろう?」
「ああ、なんたらって法律でお山の大将を決め込めるアレだろ?0Gドッグが地上に降りてなんになるんだか…俺にゃさっぱりわかんねえな」
「ともかく、ゼーペンストの自治領主のバハシュールとかいうのはよくある二代目のバカ息子らしいからな。あまり関わり合いにならない方がいいだろう」
「まったくだぜ。そんで、結局これからどうする?」
ここで、話題は本筋に戻った。
「大マゼランに戻るという方法もあるが…俺は小マゼランでやることがあるからな。この際マゼラニックストリームには行かないことにする。お前一人で行ったとして、渡り切る確率はごく低いからな」
「そんなにやべえのかよ、マゼラニックストリーム…」
「ヴァナージなんぞオマケだオマケ。マゼラニックストリームの真の脅威はやたら多いメテオストーム、頻発する磁気嵐、ついでにワラワラ湧いてくるハイエナどもにある」
白野もマゼラニックストリーム突破には相当の労力を要した。ランカーでも条件が悪ければ手こずるのがマゼラニックストリームの難所たる所以である。万全の準備を整えて、ようやくスタートラインというのだから恐れ入る。
「わかった。それじゃ小マゼランだな。
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