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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第二章 八話 ネージリンス・ジャンクションへ
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ぅ〜とぅ〜とぅ〜とぅとぅ〜」

妙な鼻歌を歌ったりするものの、基本的に白野は集中している。しばらくして、割と離れたところに民間商船が航行しているのを望遠で発見した。ぶつかると色々面倒なので民間商船の航行ルートを割り出して航路が重ならないように配慮する。このように、出港一つにしてもそれはなかなか大変なのだ。
民間商船が別航路へと飛び去るのを確認し、ようやくそういった緊張から解放された白野達は船をオート制御に切り替える。大体これからはシフトを組んで異常がないかを確認することになる。基本的な通常航行のプロセスはそんなところだ。

「前方航路クリア。お疲れ」

「さて、しばらくは暇だな…ニュースでも見るか」

理由の一つには経済ニュースを見て現在の資源の市場価格を確認したかったこともある。
ここ最近ですっかり見慣れたネージリンス放送局のアナウンサーマスコットがいつもと変わらない無機質な口調でニュースを報道していた。

「……本日午後九時ごろ、セグェン・グラスチの大規模輸送船団はネージリンス・ジャンクションを経由し…」

「ほお、大規模輸送船団か。行き先は同じだから途中でバッタリでくわすかもしれんな」

「そうか?宇宙は広いぞ?」

「広いようで狭いのが宇宙って奴だ。また会おうとかなんとかカッコつけて行ったのに数日もしない内に鉢合わせなんてことは割とよくある」

そうかもしれんな、と応じて白野はニュースのチャンネルを変えた。

「続いてのニュースは、最近話題沸騰の男性歌手、ロビー・キサラギ氏の新曲、猫とアヒルのダウンロード件数が3000万ダウンロードを越え、史上五番目の売り上げとなる69530Gを記録しゴールドディスク賞が授与されるとのことです」

歌手に興味の薄い白野はそのなんたら賞の授与式の会場に並べられた料理を物欲しそうに眺めていたが、邪念を断ち切るようにチャンネルを変えた。

次に映ったのは、なにやら古風な王宮のような建物であった。それがズーム・インされて、内部と思しき広間の映像に切り替わる。
その広間らしき場所の中央には王座があり、その前に若い王冠をかぶった男が立っている。
男の周りには、ローブを着た老人と典礼用と思われる実用性に欠ける鎧を着たゴツいおっさんがたっている。
さらにその一行の前には、ゴツいおっさんよりもはるかに重装備を施した兵士の群れがメーザー・ブラスターを構えており、兵士の群れの中央には角付き仮面型ヘルメットを被った男がたっている。

「王子、お逃げください!」

「ここは我々にお任せを!」

ローブの老人とゴツいおっさんが背後の王子なる人物にそう呼ばわる。

「ええい、大臣!覚えておれ!この反逆、許してはおかぬぞ!」

芝居がかった仕草でそうたからかに宣言した王子
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