第二章 八話 ネージリンス・ジャンクションへ
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うに距離をとった。
「…システムはいいようだ。動かすか」
レイアムがレバーを操作すると、ジェガンの右足が操作通り伸び縮みした。ハッチを開けて再び外に出る。
「主任、オーケーだ」
「なにかあったらまた言って」
「了解した」
レイアムは再度コクピットに戻り機体の細かな個人調整を続け、バークはそこここを飛び回ってジェガンに異常がないかを見て回っていた。
*
ユニコーン ブリッジ
腹ごしらえをして、ブリッジに戻ってきた白野を待っていたのは悄然とした顔のゲイケットとバウトであった。
「おい、一体どうした二人とも」
あまりの様子に思わず何事か尋ねる白野。すると、バウトがこの世の終わりのような顔で告げた。
「艦長…カルバライヤがネージリンスに大規模な資源輸出を行いました」
「資源輸出?……!」
そこで白野は気がついた。
「そうです。大量に資源がネージリンスに入ったおかげで資源の市場価格が全体的に下落しています。つまり我々の持つ略奪資源の売却価格は限りなく0に近くなります」
「手元にはいくら残っている?」
「レアメタル、その他の金属、全てまとめて50トン程です。以前は20000はしたであろう取引価格が、現在ではこうです」
バウトは愛用の携帯型超高性能量子演算装置【ソロヴァン】に表示された数字を白野に見せた。
その表示された数字は、以前よりも0の数が三つ程少なくなっていた。
「…よし、これから俺たちはエルメッツァに行く。エルメッツァにはカルバライヤは大規模資源輸出をしたか?」
「いえ、していません」
「よし、なんとかなるな。それならば、エルメッツァに行ってから資源売却を行う。役に立たない資源はこの際宇宙空間に放り捨てろ。それとバウト、収支計算のやり直しだ。俺たちは出航準備を進める」
「了解!」
「了解です艦長」
足早にブリッジを去ったバウトを見送るという手間はかけず、白野とゲイケットは出航準備の確認を始めた。
「しかし…大損だな。こちらの財布事情はかなり厳しくなる」
「あの量だからな…売らずに置いていても邪魔になるだけだし。バークに使い切らせた方が良かったかもしれん」
「だが使い切らせたとして開発費もバカにならんしな…」
「まったく、カルバライヤも余計なことをしてくれる」
愚痴を言いながら二人は粛々と作業を進めて行く。
白野は船の発進を統括する空間通商管理局に連絡を取って出港時間にあのかち合う他の船がないか確認する。
「管制局、こちらユニコーン。本日20時25分をもって本船は出港する。他の船の出港予定はどうなっているか?」
「20時20分に民間商船の出港あり。特記事項なし。注意せよ」
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