第二章 終わらせし者と月の女神
第五話
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ってきた答えは肯。一言、息子たちにあまり負担をかけさせるでないぞ。と書かれていた。
それから、ヴェルダン行きが決定し策を遂行したロキは、ようやく神の啓示をこなすときが来たのである。マーファ城の北の泉の岬、それが目的地なのである。
「大変美しいところですね。これは、評判になるのも頷ける」
「ありがとうございます。ちなみにロキ殿。この湖の近くに泉があるのはご存知か?」
「泉? この湖の近くにそんなものが?」
「ええ、その泉がこの地に伝わる御伽噺の舞台なのです。もしよろしければいきませんか?」
「是非とも見てみたいですね。よろしくお願いしますジャムカ殿」
ジャムカは、お供の部下たちに声をかけロキを伴い泉へと向かった。回りは木々に囲まれ、鳥の鳴き声や水が石を打つ音が聞こえた。そんななか幾時もかからずに泉へと着いた。
「これは、またここも美しい。ジャムカさん、ここにある御伽噺とは一体どういうものなんですか?」
「なんでも女神がいるんだそうです」
「女神?」
「そうです、ヴェルダンが建国されるよりもはるか昔にこの地にも英雄がいたんだそうです。その人が、ある日ここで斧の素振りをしていたらしく、手が滑りこの泉にその斧を落としたと、そしたら女神が泉から出てきて、彼の落とした斧に変わり勇者の斧を手渡したらしいのです。そして、その話を聞いた強者達が斧や剣、槍といったものを落とすもそれ以後出てきていないとか。それで、御伽噺と伝わるぐらいになったのです」
「なるほど、面白い話ですね。では、私も試させてもらいましょう」
「ふふふ、では賭けますか?」
「いいですねー。まぁ結果は見えていますが」
「では、もし何もおこらなかったら1000Gもらいましょう」
「面白い。では、何かおこったら私と友人になりましょう」
「それは、何もおこらなくてもこっちからお願いしたい。あなたの謀略を私にも伝授していただきたいので」
「おっと、それは……さすがですね。バレてましたか」
ジャムカは、少し頷きづつもバツが悪そうに微笑む。ロキはそれをみて頷くと腰にかけていた鉄の剣を泉へと投げ入れた。護衛の者たちはロキ達よりも少し離れた場所におり、その場にいたのはロキとジャムカだけであった。
「どうやら、なにもおこらなそうですね」
「ええ、そのよう……いや、なにか違和感があります」
「えっ!」
ジャムカが泉を覗くと鉄の剣を投げ入れた場所からブクブクと泡が上がっている、先ほどまで透き通っていた泉が徐々に色が変わってきているように感じた。
「そうですね、違和感が!」
「どうやら賭けは私の勝ちのようです」
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