コードギアスR2
0604話
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き、額に冷や汗と思しき汗を浮かび上がらせるオデュッセウス。
「……君達の目的は分かった。それで、私にそれを話してどうしろと? 協力しろと言われても、私は自分自身が凡庸な男であるのを知っている」
「凡庸か。だがブリタニア皇族の中でお前にだけ存在するものもある」
「……それは何かな?」
「カリスマ……というのとはちょっと違うな。人当たりの良さや人望といったものだ」
「人望?」
「ああ。コーネリアも含めて、基本的にブリタニア皇族というのは我の強い者が多い。……まぁ、弱肉強食を国是としている以上はしょうがないのかもしれないがな」
ブリタニア皇族の中で、人望という意味で目立っていたのは俺の前で寝間着の代わりにナイトガウンを着ているオデュッセウス、ブラックリベリオンで死んだユーフェミア。そして、今もこの皇宮のどこかにいる筈のナナリーといったところか。
「ふむ。続けて欲しい」
「厳しい事を言うようだが、確かにお前は能力的に見るべきところがない。だが、その人望がある。そしてその人望を持っているお前をこそ、俺達は必要としている。……俺達が作りあげる新国家。その代表としてな。あぁ、もちろん俺が求めているのがその人望である以上は、実質的に国を動かして貰おうとかは考えていない。言葉は悪いが、名目上の代表といってもいいだろう。だが、名目上の代表だからこそ政治や軍事の能力は必要無く、ただ人望があればいい。国民に愛され、他の国の者達に親しみを覚えられるような人望が……な」
「ちょっと待ってくれ。それはつまり、君達が作りあげるという新国家の……しかも名目上とは言っても代表になれと言っているのかい? この私に」
信じられない。そんな目で俺を見てくるオデュッセウスに、小さく頷く。
「ああ。まさしくその通りだ」
「……正気かい? こう見えても、私はブリタニアの第1皇位継承者だよ? それを裏切れと?」
「ですが兄上。今のブリタニアは……父上、いえシャルル・ジ・ブリタニアが行おうとしている事は絶対に許されるべき事ではありません。ギアスのような存在に耽溺して時がこのまま流れれば、ブリタニアという国は取り返しのつかない何かを起こしてしまうでしょう。……いえ、既に今の時点でその何かは起こっている可能性が高いのです。ならば、家族である兄上がそれを止めないでどうしますか。私やアクセルは、それを手伝いたいと言っているのです」
整然と言葉を紡ぐコーネリアに、オデュッセウスも言葉を詰まらせる。
実際、コーネリアの言っている事は大袈裟ではあるが間違ってはいない。何しろギアス響団の目的は神を殺す事だ。普通に考えれば、それを認めるような者は殆どいないだろう。そして、それをブリタニアという国が行っていると知られれば……どうなるかは自明の理だ。
「それは…
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