第二話
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はよかったです、ニーナの所が弱いと楽しくありませんから。これでレイフォンも戻って来てくれれば最高ですよ」
「そういえばクララも隊長になるんだったな、二年生でというのは記録じゃないのか。しかしあいつもなかなか帰って来ないからな、また何かに巻き込まれてでもいるのか」
「そんなことはない……と思いたいですけど、ねえ」
レイフォンの性格を考えると否定しようにもしきれず二人の口からは乾いた笑いが漏れてしまっていた。
そして新しい学年が始まり入学式が終了した後、ニーナとクララは武芸長室で顔をつき合わせていた。
「いたか」
「いませんね……レイフォン」
言いきった瞬間ニーナの頭がガクッと傾く。
「確かにいなかったが新入生の中にあいつがいたらおかしいだろう。私が言いたいのは」
「小隊にスカウトしようかと思える相手でしょう。通常有望なのはなかなか都市外には出ないものですけどね」
「一年から入れるほどの相手ではなく将来性に期待したい奴、だがな。それほど今のレベルが低くても困るからな」
通常三年生、四年生となってから小隊入りするものであり二人が言っていることももっともな事だ。が世の中には青田買いという言葉もあれば唾をつけるという言葉もある。
但し、二人とも一年の時から小隊入りしニーナは三年、クララは二年の時に小隊長になっているのだが。
「だがなんといっても生徒数が減ったからな。元の応募者が例年に比べて少ない上、入学辞退した者も随分出たからな」
「今、まだ汚染獣に襲われる危険を冒さなくてもそのうち安全になるって云われてますからねぇ。外に出たいならもう少し待てば良いだけですし」
「つまり減少傾向は続くだろうし小隊も合併していくことになるだろう。数会わせで隊員を入れるわけにはいかないからな」
「残念ですね。あ、でもつまらない所が多いよりはいいかもしれません」
クララが漏らした個人の嗜好が全開の感想に僅かに顔をしかめるもその事については何も言わない。方向性は違えど小隊の形だけを残しても意味がないと思うのは同じだからだ。
「それはそうだが……まあいい、私は小隊の連中を集めているから行くぞ。お前も隊長らしくしろよ」
「わかってますよ。ニーナの所とやるのを楽しみにしてますから応えて下さいよ」
練武館の旧第十七小隊、現第一小隊のスペースで編入してきた前第一小隊の念威繰者と一応の顔合わせを行う。一応というのは結局の所小隊員同士顔見知りであるためだ。
簡単な予定を伝えた後解散となりダルシェナとその念威繰者・ゲイリーはこの場を去り、ニーナはハーレイとシャーニッドが何かの相談のために残っているのを横目に見ながら床に腰を下ろし錬金鋼の整備を始める。
ニーナが所持している錬金鋼は五つ。ツェルニに授けられたものが二つ、大祖父
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