第二話
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解りました、お引き受けします」
やった、と喜ぶサラミヤを横目に見遣るレウに続きがくる。
「ただ、他の方から依頼が来た場合も受けますがそれでも構いませんね」
「なんでよっ」
叫ぶサラミヤを他所にレウは冷静だった。
「ま、そういうとは思ってたけど一応説明してやってくれる?」
「私がツェルニの為になる、というのであればこそお引き受けするのであって会長の選挙の為ではありません。私が会長としての方針に足りると思った方で私を必要とされるのであればお引き受けします」
「でしょうね、分かったサミ、ニーナを独占して有利になろうなんて無理だってこと」
「……うん」
すごすごと引き下がるしかないサラミヤであり、レウからしてみれば当然の結果である。
ツェルニの為をモットーとしているニーナが個人の為に目的を失いはしないだろうということを。それこそ前会長であったカリアンであれば周囲に圧力をかけ他の候補者達にニーナを諦めさせるという手段を取ったかもしれないが、彼にだってニーナの考えを変えさせるのは無理だろうと思う。
まあここはニーナの同意を得られただけで十分としてサラミヤの首根っこを掴んで生徒会室へと戻る。必要な人事案はそれだけではないし、日常の業務だって待っているのだ。
それに何よりこの気紛れ気分屋な会長の手綱を取らなくてはならない。副会長レウ・マーシュの仕事は本当に多岐に渡るのだ。
そして行われた生徒会長選挙において二連覇を達成したサラミヤによりレウは副会長に留任、ニーナが新しい武芸長に就任した。
「武芸長就任おめでとうございます、ニーナ。新しい椅子の座り心地はどうです」
生徒会棟にある武芸長室でお祝いを述べたのはクララだ。
この武芸長室、存在はしてもあまり使われる事はないため使用感というか生活感というものは稀薄であるが。
「どうせだから座ってみるか? お前なら間違いなく私の後この席に座る事になるだろうけどな」
「まあそれが自然の成り行きでしょうね」
既にニーナの後の武芸長がクララだと微塵も疑いもしていない会話をする二人。
ただ誰が聞いていたとしてもそれを傲慢だと批難することは出来ないだろう。それだけの実力があることに疑いを持つ者はいない。
「ま、それは来年以降の事ですけれどね。それよりニーナこそ念威繰者は当てがあるんですか、武芸長の隊が念威繰者が居ないから負けたなんて笑い話にもなりませんよ」
「それなら問題無い。ゴルネオ先輩の隊は卒業する者が多いから解散することになってな。移籍してくれる事になった。取り敢えず来年の心配はいらない」
フェリの抜けた穴を埋める算段はついたと告げる。もっともチームワーク等の差を埋めるのは容易な事ではない、が念威繰者が居るのと居ないのとでは雲泥の差があるのも確かだ。
「それ
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