初デートの予定外
[10/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「ご案内します───私が知っている"公主隠し"の現場へ」
彼女の口から告げられた第一特務としての使命と彼女からの義務と義理が混ざったような情報提供によって己の使命を持って躊躇いは捨てた。
「───浅間っ!」
後ろから聞き覚えのある声を無視するほどに浅間は咄嗟に反応した手が既に必要なものを取ってそれを地面に突き刺すプロセスを取っていた。
……結界用の玉串!
唐突な自分の反応を、しかし間違いではないと判断する根拠がある。
それは結界用の玉串から瞬間的に広がった円紋に青白い文字列がまるで絡むように巻き付いているからだ。
これは、という自問自答に自分の記憶が答えを持っていると告げる。
……シェイクスピアの脚本ですね!?
瞬間過ぎてそれの効果や何故、このタイミングで仕掛けるなどという判断を持てないままだがそれでも右足のかかとを強く踏み、音を鳴らし柏手を一つ強く打ち
「奏上ーーーー!」
巫女の奏上に結界は答えた。
絡み付く文字列を存在証明を確定するために粉砕し、完成を結果として残したのだ。
これで防げた、と自信を持って証明でき役職者としての上位にいるシュウ君に判断を聞こうと思い
「……いない!?」
さっきまで体温すら感じる場所にいたはずの彼の姿がどこにもなかった。
最初は歩法かと思ったが違う、と判断できる。
歩法はどちらかというと守る技ではなく仕掛ける技の系統だ。仕掛けられた場合は効果が半減する。
立花・ァに歩法外しの方法を全国に放送されたのが痛い。
あれのせいで後手からの歩法の有用性はほぼ消失した。
勿論、相手の視界から一瞬外れることも出来るし、攻め手においても隙を生み出す強力な技であることには変わりないが今の受け手において使っても役職者クラスなら確実に躱せる技のレベルに落ちただろう。
そして彼もそれが解らないわけがない。
となると、本当に消えたと思っていい。
いや、むしろ消えたのは自分達の方ととれるかもしれない。
「ねぇ、浅間? これ、どうなってんの?」
「……その前に喜美がどうしてここにいるのかを聞いてもいいですか……」
愚問と解っていても脳が聞くことを望んでしまう。
そう思っていたらこの狂人はクネクネと尻を回して笑い出した。
理性が一瞬、蕩ける様な理解不能の境地に叩き込まれたような錯覚を得てしまったが、このままそれを見続けると錯覚が現実に変わる可能性があるから見なかったことにした。
だけどここに喜美がいるお蔭で多少の条件付けみたいなルールが理解できた気がする。
狙われたのは私達でもなく私達だけでもなくましてやシュウ君だけではない。
狙いはきっと
「トーリ君とホライゾンです」
何故ならこの結界は───
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ