初デートの予定外
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ここが正念場だと熱田は切に思う。
集中力を切らすな。
武蔵アリアダスト教導院副長としての威厳を見せろ。
否、これはそんな程度のプライドで進むべきものじゃない。
男の矜持を賭けろ……!
そして俺は口の中に溜まった唾を呑み込み───人差し指を押した。
「よっしゃ智! 射的でお前へのプレゼントゲットしたぜ!?」
「……それはまぁ、純粋に喜びたいんですが……これ、何ですか?」
「遠回しに言うが英国は結構過激だかんなぁ」
英国名物拷問忍者ゴウエモン。
結構、子供には人気らしい。さっきから周りの子供が意外と持って遊んでいるし。
「……キャッチコピーがかなり直接的で『吐くがいい!!』って書かれているんですか……」
「愉快なことに吐いた後助けるとは書いていないな」
他も似たようなものが多かったのでこんなものだろう。
まぁ、最低限の矜持を保てたので結果オーライでる。
「というか私の方がこういうのは得意なんですから私がやった方がよくありませんか?」
「……幾らぶっ壊すのが能の俺とはいえ祭の余興に屋台と人を潰させるのはよぉ……」
「───前々からの誤解を解きたいと思っていたのですが巫女は壊すとか人を射つとかしてはいけないんですよ?」
「……何か食うか」
隣からの視線が激しくなったが気にしないことにした。
デートもまだまだ序盤。
ここで油断するなかれ。
デートで女を楽しませない男なんて塵屑だぁ!
喜美に言われなくても解る理屈である。
次の飯でちゃんとフラグを立たせなくてはと思い、しかし表情では何でもいいやっという感じで保持していたのだが
「もう……別にそこまで必死に探さなくてもいいですよ」
何故か一瞬で俺のポーカーフェイスは破られる悲惨。
「たくよぉ……昔からお前は俺の考えていることをずばっと言い当てるけど何かコツとか癖とかあんのか?」
偶には俺にも格好つける暇くらい欲しいのだがこの巫女型決戦兵器は何時も認めてくれないのである。
無駄に格好つけたいわけではないが必要よりちょっと上くらいは女に格好つけたいものである。
だから前々から思っていた疑問を口にしたのだが当の本人は口に指を当てて思案顔。
「はて……? まぁ、長い付き合いで何となく解るっていうものじゃないですかね? ───シュウ君だって解りますよね?」
「ああ成程。じゃあしょうがねえな」
肯定すると智が少し顔を赤らめるので眼福である。
脳内記憶には最早留めておけない記憶量である。
……歩法を覚えて正解だった……!
実は密かに左手だけ周りからの知覚から外れてカメラを握らせている。
お蔭で胸が揺れる様も含めて智コレクションは増える一方である
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